抗コクサッキーウイルス抗体
抗コクサッキーウイルス抗体
別名 | Cox抗体,コクサッキーウイルス抗体 |
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臨床的意義
- 本検査は,臨床症状よりコクサッキーウイルス感染が疑われる場合や,流行的発生時の疫学情報のために行われる.
- コクサッキーウイルスは多くの血清型が存在し,不顕性感染もみられるので,血清学的診断はあまり重要視されない.中和抗体の急性期と回復期のペア血清における4倍以上の上昇があれば有意とされる.
- A群は,夏期,小児におけるヘルパンギーナ,上気道感染を起こす.その他,麻痺ポリオ症状,無菌性髄膜炎,Guillain-Barré症候群,発疹性疾患,気道麻痺など多様である.手足口病はコクサッキーA16またはエンテロ71による大流行を起こすことがある.
- B群は,夏期,幼児に流行性の無菌性髄膜炎,夏かぜ,熱性疾患,麻痺,あるいは気道性疾患を起こす.B群による心筋炎は,特に乳幼児の場合,致死的なこともあり注意を要する.新生児の感染では肝炎を引き起こすことがある.B群の6型は膵臓ランゲルハンス島の細胞に障害を与え,糖尿病の原因になると考えられている.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
- CF・NT:〈血清〉4倍未満,〈髄液〉1倍未満
- 陽性
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ヘルパンギーナ、 急性リンパ結節性咽頭炎、 手足口病、 上気道感染症、 心筋炎、 発疹症、 無菌性髄膜炎、 流行性筋痛症
手足口病(Cox10,16),ヘルパンギーナ(CoxA群),急性リンパ結節性咽頭炎(CoxA10),無菌性髄膜炎,上気道感染症(CoxA21),発疹症,心筋炎(B群),流行性筋痛症
- 次に必要な検査
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今後の検査の進め方
- 必要に応じウイルス分離を行う.
- 変動要因
- エンテロウイルスが関係する疾患はそれ以外のウイルスによっても起こりうるので,他のウイルスの検索も必要である.
( 中村良子 )
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