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C型肝炎ウイルスサブタイプ解析

C型肝炎ウイルスサブタイプ解析

別名 HCVジェノタイプ

臨床的意義

  • わが国で臨床分離されるHCVの遺伝子型は1b型が約70%,2a型が約15%,2b型が約5%である.1a型はアメリカに多く,1b型は日本・アメリカ・ヨーロッパはじめ世界的に検出される.1群はウイルス量が多く,インターフェロン治療効果が悪い.2群は日本・アメリカ・ヨーロッパで検出される.2群,3群は一般的にウイルス量が少なくインターフェロン治療効果が良い.一方,4群はインターフェロン治療効果が悪い.
  • HCVモニターゲノタイプ検査では,HCVゲノム5´UTRのmap positionの-167/-163/-161の塩基配列によりそれぞれ1b型はT/A/G,2aはT/G/G,2b型はT/G/A,3aではC/G/Gとなる.
  • 本検査は,C型肝炎患者(遺伝子増幅などのスクリーニング検査により血清中からHCV-RNAの存在が確認された場合)で,インターフェロン療法などの治療効果予測に用いる.また,HCVサブタイプ解析を行うことで,院内感染・透析施設内感染・職務曝露感染などによるHCVの伝播ルート解明(感染源の同定)にも役立つ.
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基準値・異常値

基準範囲
陰性
変動要因
陽性

C型ウイルス性肝炎

C型ウイルス性肝炎

次に必要な検査
今後の検査の進め方
  • インターフェロンとリバビリンの併用療法の場合でも,遺伝子型の1群HCV例や高ウイルス血症の症例では効果が他の症例に比べて低い.一般にインターフェロン療法後の再燃時の治療効果が高いのは,1b型以外あるいは1b型であっても,ウイルス量が100KIU/ml(1Meq/ml)以下の症例である.C型ウイルス性肝炎の治療には,HCV遺伝子型別判定と血中ウイルス量のモニタリングが重要となる.1b型のHCV感染でも最近ヨーロッパで臨床試験の行われたPEGインターフェロンによる治療の場合,従来のインターフェロン療法に比べて高い治療効果が報告されている.
変動要因
HCV-RNAコピー数が少ない場合には,検出限界未満として「検出せず」と報告されるので,事前にHCV-RNA定量を施行することが望ましい.
( 満田年宏 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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