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8;21転座

8;21転座

略称 t(8;21)(q22;q22.1)

臨床的意義

  • 8;21転座はAML-M2の18~40%に認められる転座である.M2における頻度は欧米では低く,わが国では高い.まれにはM0,M1,M4にも認められる.若年成人に多く,小児AMLでは最も出現頻度が高い異常であるが,50歳以上ではまれである.
  • 特徴は,①芽球や成熟顆粒球にAuer小体がある,②成熟好中球は核の形態異常(pseudo-Pelger anomalyなど)を示す,③NAP値低値,があげられ,このような特徴を持った骨髄像を見た場合には,8;21転座の存在を予想しうるといわれている.
  • 8;21転座白血病の寛解率は高く,予後も比較的良好であるが,再発率も高い.経過中に骨髄芽球腫の発症が20%に認められる.
  • MDSに認められる場合には比較的早期に白血化する傾向がある.
  • 付加的染色体/遺伝子異常としては,性染色体欠失(56%;男性ではY染色体が欠失,女性では不活化したX染色体が欠失),9q(24%;9q21-q31バンドが常に欠失する),KIT遺伝子のD816点突然変異(13%),NRAS点突然変異(9%)が多く,FLT3変異(3.4%)やAML1変異(3.8%)はまれである.
  • 本検査で予後良好のAML群を特定できる.
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( 佐藤裕子 )
臨床検査項目辞典

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「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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