SH化合物定性(尿)
SH化合物定性(尿)
別名 | シアナイド・ニトロプロシッド反応,尿システイン・シスチン・ホモシスチン定性 |
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臨床的意義
- シスチン尿症は常染色体劣性遺伝を示す代謝異常症で,腎尿細管におけるアミノ酸再吸収障害により尿中にシスチンが大量に排泄され,尿路結石症を発症する.通常,診断契機は排泄された尿路結石の成分分析か尿沈渣中の特徴的なシスチン結晶の存在による.
- ホモシスチン尿症はメチオニン代謝系酵素の先天的欠損を示す常染色体劣性遺伝疾患で,血中にホモシスチンやメチオニンが蓄積し,尿中に大量に排泄される.蓄積したホモシスチンにより精神発達障害,骨格異常,水晶体亜脱臼,血栓症などを発症するため,新生児マススクリーニングの対象疾患としてアミノ酸分析法による血中メチオニン濃度測定が行われている.
- 本検査はこれらの病態の簡易スクリーニング検査であるが,定性反応で感度も低く,シアン化ナトリウムを用いるため一般的な検査室では実施が困難となっている.上記の病態を疑う場合には尿中・血中アミノ酸分析による診断を行う.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
変動要因 - 陽性
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シスチン尿症、 ホモシスチン尿症
シスチン尿症,ホモシスチン尿症
- 次に必要な検査
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尿アミノ酸分析,血中総ホモシステイン定量(ホモシスチン尿症)
- 変動要因
- シアン処理後の尿に対してケトン体定性と同様の化学反応を行って検出するため,尿中ケトン体,SH基を含む薬物尿などでは偽陽性反応を呈する.
( 三宅一徳 )
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