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鉄染色

鉄染色

別名 ベルリン青染色(Berlin blue method),プルシアンブルー染色

臨床的意義

  • 代謝異常の病態の診断に重要な検査である.特に鉄欠乏性貧血芽球性貧血,ヘモクロマトーシス(種々の臓器に貯蔵が沈着する疾患)の診断に意義がある.
  • 鉄欠乏性貧血では芽球の著しい減少あるいは欠如が認められる.
  • 芽球は正常ないし軽度の減少なのに,の利用が悪いために相対的に鉄欠乏性貧血になる持続性の貧血(慢性炎症,悪性腫瘍,膠原病などに伴う貧血)の鑑別にも鉄染色は有用である.
  • ヘム合成異常を伴わない過剰状態(ヘモクロマトーシスなど)では芽球,赤血球の増加をみる.赤芽球の成熟異常をきたす場合には赤血球が増加する.正常ではミトコンドリア内のは染まらないが,ヘム合成異常を伴う過剰状態(骨髄異形成症候群,ピリドキシン欠乏症,中毒など)では過剰のがミトコンドリア内に沈着,核周囲の1/3以上を花冠状,環状に取り込む環状芽球(ringed sideroblast)が認められる.
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基準値・異常値

異常値を呈する場合

ピリドキシン欠乏症、  ヘモクロマトーシス、  鉛中毒、  巨赤芽球性貧血、  再生不良性貧血、  鉄芽球、  鉄芽球性貧血、  溶血性貧血、  鉄欠乏性貧血

次に必要な検査
血清,血清フェリチン,総結合能(TIBC),不飽和結合能(UIBC),トランスフェリンなどの生化学的データと比較する.
( 桑島 実 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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