乳酸デヒドロゲナーゼアイソザイム アノマリー
乳酸デヒドロゲナーゼアイソザイム アノマリー
別名 | LD(LDH)アイソザイムアノマリー |
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臨床的意義
- 次のようなとき本検査を実施する.
- LD総活性が他の検査データ,臨床所見にそぐわない高値,もしくは低値を示すとき(多くの場合,持続的な高値・低値).
- アイソザイムパターンに異常が認められたとき.
- LD-Ig複合体,失活因子が存在するから,肝疾患や自己免疫疾患を考えるという強い因果関係はないので,これらによる異常なアイソザイムパターンやLD活性値を病態によるものと誤判定をしないことが大切である.
- Hサブユニット欠損症は特に臨床症状はないが,Mサブユニット欠損症は,運動後のミオグロビン尿症,分娩障害,皮膚の特異的な発疹を示す.
- 過剰バンドがあれば,溶血検体もしくは腫瘍の存在を疑う.LD6の存在は,重篤な肝細胞傷害や予後の悪いことを示す指標である.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性(アノマリーなし)
変動要因 - 異常値を呈する場合
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LD-免疫グロブリン複合体は肝疾患,自己免疫疾患,悪性腫瘍などに多いが,健常人でもまれに認められる.
次に必要な検査
アノマリーの原因解明後,定期的なLD活性測定で対応する
- 変動要因
- 原因は複数あることを認識し,免疫グロブリンとの複合体のほか,先述した他の原因を追及する.
( 前川真人 )
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