アセチルコリンエステラーゼ
アセチルコリンエステラーゼ
略称 | AchE |
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別名 | 赤血球コリンエステラーゼ,真性コリンエステラーゼ,true ChE |
臨床的意義
- 原因不明の貧血の鑑別診断に用いられる.網赤血球,幼若赤血球中に高濃度存在するため,これらが増加する病態(網赤血球増加症;球状赤血球症,サラセミア,鎌状貧血など)では高値となる.
- 白血病の経過観察で検査される.白血病では予後と関係し,低値から高値に推移するのは寛解の徴候であり,逆に下降傾向のときは再燃の徴候である.
- 薬剤中毒が疑われるときに検査する.神経伝達系に異常をきたす薬剤中毒(有機リン剤,サリンなど)ではこれら薬剤が不可逆的にエステル結合部に結合するため,基質が結合することができず,異常低値となる.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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- 真性:1.2~2.0U
- 偽性:4.1~8.5U
- 高値
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網赤血球増加症(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血の寛解期),白血病寛解期
Critical/Panic value
- 活性がほとんどない場合には,薬物中毒(有機リン剤など)を疑い,アトロピンやPAMなどの治療を行う.
- 低値
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≦1.0:再生不良性貧血,白血病再燃期,薬剤中毒(有機リン剤)
次に必要な検査
まず,血清偽性コリンエステラーゼ活性を測定し,それも低値の場合にはAchEを特異的に阻害する薬剤の検索を行う.
- 変動要因
- 網赤血球中には多量のAchEが存在するため,異常高値の場合には網赤血球数をチェックする.
( 高木 康 )
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