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グルコース-6-リン酸脱水素酵素(血液)

グルコース-6-リン酸脱水素酵素(血液)

略称 G-6-PDH
別名 ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素,d-glucose-6-phosphate:NADP1-oxidoreductase

臨床的意義

  • 原因不明の貧血の場合に検査される.この場合には赤血球中のG-6-PDH活性が測定され,G-6-PDH欠乏症(溶血性貧血)では低値となる.
  • G-6-PDHはグルコース代謝の一つであるペントース回路によりNADPHを供給しており,この活性が低下すると還元型グルタチオンが低下し,ヘモグロビンの可逆的酸化が起こる.これにより不溶性のHeinz小体が形成され,溶血が生ずる.溶血性貧血の原因が赤血球膜か,ヘモグロビンの異常か,あるいは酵素の異常かの鑑別に用いられる.
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基準値・異常値

高値

鎌状貧血、  巨赤芽球性貧血、  欠損症

巨赤芽球性貧血(赤血球中活性が基準値上限の数倍に上昇する),鎌状貧血(赤血球中活性が軽度上昇する)
Critical/Panic value
【≦5mU/109RBC】

  • 欠損症が疑われる.

次に必要な検査

巨赤芽球性貧血ではビタミンB12葉酸の欠乏の有無をチェックするとともに,網赤血球,MCV,骨髄穿刺,血中LD活性などを検索する.鎌状貧血では末梢血塗抹標本や負荷試験を行う.
低値

G-6-PDH欠乏症

G-6-PDH欠乏症〔薬剤,特に解熱薬,抗マラリア薬で溶血発作として惹起されることが多いが,わが国ではまれ(0.1%程度)である〕

次に必要な検査

溶血性貧血が疑われ,赤血球内酵素測定(グルタチオンレダクターゼ,グルタチオン,グルコースリン酸イソメラーゼなど),ヘモグロビン還元試験,色素還元試験,Heinz小体形成試験を行うとともに,ビリルビン(総,間接型),ハプトグロビン,LD活性などが検査される.また,投与・服用薬剤のチェックを行う.
変動要因
赤血球中のG-6-PDHを測定する際の溶血液の調整が不良の場合には異常値となる.調整ステップのチェックが必要である.
( 高木 康 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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