酸性ムコ多糖
酸性ムコ多糖
別名 | 総酸性ムコ多糖,グリコサミノグリカン |
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臨床的意義
- 本検査は,臨床症状から先天性ムコ多糖症が疑われる場合や,各種の膠原病や悪性腫瘍が疑われる場合に用いられる.
- 酸性ムコ多糖は結合織に病変のある各種の疾患で量的・質的変化をきたす.特に著明な発展をみたのは遺伝性ムコ多糖症で,現在までに遺伝性ムコ多糖症は十数種類が明らかとなっている.これらは酸性ムコ多糖体を分解する酵素が欠損したために細胞内に代謝中間物質が蓄積し尿中に排泄されたものである.
- 24時間尿中に排泄された酸性ムコ多糖の分子種およびその割合を明らかにすることにより,ムコ多糖症の判定および分類をすることができる.その他,膠原病や悪性腫瘍,炎症性疾患などでも尿中の排泄量が増加する.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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1~3mg/day(参考)
変動要因 - 高値
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悪性腫瘍、 遺伝性ムコ多糖症(MPS)、 炎症性疾患、 関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 全身性強皮症、 糖尿病、 動脈硬化
遺伝性ムコ多糖症(MPS),各種の膠原病(全身性強皮症,関節リウマチ,全身性エリテマトーデスなど),悪性腫瘍,炎症性疾患,動脈硬化,糖尿病
次に必要な検査
現在では遺伝子レベルの病因が解明されている各代謝異常症に対する遺伝子型を確認する.より特異性が高い腫瘍マーカーや抗核抗体などを選択する.
- 変動要因
- 尿路感染症の有無,防腐剤使用の有無を確認する.
( 椿 秀三千 )
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