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乳酸/ピルビン酸

乳酸/ピルビン酸

別名 ラクテート/ピルベート

臨床的意義

  • 本検査は,血液循環不全を疑うとき(心疾患など),また何らかの疾患による代謝障害を疑うとき(糖尿病,肝不全,悪性腫瘍,尿毒症,ビタミンB1欠乏など)に行われる.
  • 血中の乳酸濃度は生体の酸化還元状態を示す指標となる.乳酸が異常高値をとった状態を乳酸アシドーシスとよび,死亡率の高い代謝性アシドーシスの一つである.
  • 組織の酸素欠乏はピルビン酸の酸化障害となるため,高ピルビン酸血症を引き起こす.これらの高値はショックなどによる循環不全や全身性の代謝異常によって引き起こされ,予後と相関する.肝はピルビン酸処理臓器であるため,その障害はピルビン酸血症を引き起こす.
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基準値・異常値

基準範囲
  • 乳酸 4.0~16.0mg/dl
  • ピルビン酸 0.3~0.9mg/dl
変動要因
高値

アルカローシス、  ビタミンB1欠乏、  ミトコンドリア脳筋症、  管理不良の糖尿病、  肝不全、  骨格筋の痙攣、  重症肝疾患、  循環不全、  循環不全、  低酸素血症、  糖原病Ⅰ型、  尿毒症

■乳酸
骨格筋の痙攣,循環不全,低酸素血症,アルカローシス(代謝性,呼吸性),管理不良の糖尿病,肝不全
■ピルビン酸
循環不全,重症肝疾患,尿毒症,ビタミンB1欠乏,糖原病Ⅰ型,ミトコンドリア脳筋症

低値

筋グリコーゲン病、  糖原病Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ型、  乳酸脱水素酵素欠損症

■乳酸
糖原病Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ型,乳酸脱水素酵素欠損症
■ピルビン酸
筋グリコーゲン病

次に必要な検査
  • 血液ガス,酸・塩基平衡検査.
  • 糖尿病の有無.
  • 肝疾患の有無.
変動要因
  • 筋肉運動,啼泣後の採血.
  • 採血時の駆血過剰.
  • 検査材料の確認.
  • 保存状態の確認.
( 浅野 博 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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