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アセトン

アセトン

臨床的意義

  • 血清および尿中のアセトン濃度を知ることにより,アセトン,IPAへの曝露の有無が明らかとなる.作業者のアセトンへの曝露では,尿中アセトンのピークは曝露後3~3.5時間にみられ,IPAへの曝露ではアセトン曝露の場合より排泄が遅れるため,尿中アセトン濃度は翌朝に高値となる.
  • 幼児から小学生ぐらいの神経質な子どもに多くみられるアセトン血性嘔吐症(自家中毒)は,心身の疲労から自律神経が変調をきたし血液中のアセトンが増えすぎて起こる病気で,突然元気がなくなって顔色が真っ白になり,激しく吐き,嘔吐は周期的で何回も繰り返す.
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基準値・異常値

基準範囲
5μg/ml未満(血清・尿ともに検出限界未満を基準値とする)
変動要因
高値

アセトン血性嘔吐症(自家中毒)、  アセトン作業者、  イソプロピルアルコール作業者、  グリコーゲン病、  飢餓、  絶食、  糖尿病、  糖尿病性アシドーシス

アセトン作業者,イソプロピルアルコール作業者,糖尿病糖尿病性アシドーシス,グリコーゲン病,飢餓,絶食,アセトン血性嘔吐症(自家中毒)

次に必要な検査

生物学的モニタリングとして利用する場合,尿中アセトン値が高値を呈したときには,作業の前後で測定するとともに尿および血清のケトン体分画についても測定し,職業曝露による高値あるいは他の生理的・病理的理由による高値のいずれかを判別する.
変動要因
  • 検体の採取,保存状況をチェックする.採血,採尿時期(作業終了時)が適切であったか,凍結保存してあったかを確認する.検体は採取後の保存中に非酵素的に脱炭酸反応が進行しアセトン濃度が上昇する可能性もあるが,-70℃に保存すれば3週間は安定であるとされる.
  • 曝露との関連をみるときには,ケトーシスを起こすような原因のある検体は注意を要する.
( 〆谷直人 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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