HDL2,3-コレステロール
HDL2,3-コレステロール
別名 | HDLコレステロール亜分画 |
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臨床的意義
- 本検査は,脂質代謝異常,肝疾患,冠状動脈疾患が疑われるときに行われる.
- HDL2が抗動脈硬化性であることは,疫学的,臨床的に実証されており,冠動脈疾患のより詳細な予防因子の指標となる.
- CETPの作用によりTGを取り込み大きくなったHDL2は,HTGLが欠損すると,TGに富んだHDL2とβ-VLDL,IDLが増加し,臨床的には角膜混濁,黄色腫,心筋梗塞,脳梗塞などが報告されている.HTGL欠損症ではHDL2は増加するが,HDL-Cは必ずしも増加しない.
- アポC-Ⅲ異常症ではアポC-ⅢがLPLの作用を阻止するとともに,アポE含有HDL2の肝での取り込みを阻止する.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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(単位:mg/dl)
- HDL2:男性 18.0~60.0,女性25.0~74.0
- HDL3:男性15.0~28.0,女性 15.0~26.0
- 異常値を呈する場合
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CETP欠損症、 LPL活性低下、 肝硬変、 肝性HTGL活性低下、 急性肝炎、 甲状腺機能低下症、 動脈硬化症、 脳梗塞、 閉塞性黄疸
- 次に必要な検査
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- 脂質検査.
- 必要があればLCAT活性の測定.
- 変動要因
- HDLはリポ蛋白の中でも比較的安定であり,超遠心法では測定において予想外の値はほとんど経験しない.
( 宇治義則 )
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