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β-リポ蛋白

β-リポ蛋白

略称 β-LP

臨床的意義

  • 高脂血症,低脂血症のいずれの場合も測定意義はある.しかし,最近ではリポ蛋白のより精密な分析が可能となっているので,この方法によるβ-リポ蛋白を測定することは少なくなってきている.すなわち,コレステロール,中性脂肪および各リポ蛋白定量もが可能となっている現在,あえてこの方法によるβ-リポ蛋白を測定するメリットはあまりないと考えられる.
  • β-リポ蛋白が異常高値であれば,他のリポ蛋白分画との比較をする意味で,アガロース電気泳動によるリポ蛋白分画が必要である.さらにアポ蛋白,特にアポB,C-Ⅱ,C-Ⅲ,Eなどの測定も必要となる.
  • 反対に低値の場合は低脂質血症を疑い,この場合は特にアポBの測定が重要である.これにより低β-リポ蛋白血症や,まれではあるが無β-リポ蛋白血症が見出されることがある.しかし,これらもコレステロール,中性脂肪が低ければそれだけでも疑われる.
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基準値・異常値

基準範囲
230~590mg/dl
変動要因
高値

ネフローゼ症候群、  原発性高脂血症(家族性高コレステロール血症など)、  甲状腺機能低下症、  糖尿病

600mg/dl以上

次に必要な検査

総コレステロール,中性脂肪,アポ蛋白,HbA1c,75gOGTT,尿検査,甲状腺ホルモン(TSH,FT3,FT4
低値

肝硬変、  甲状腺機能亢進症、  低β-リポ蛋白血症、  無β-リポ蛋白血症

200mg/dl以下
肝硬変甲状腺機能亢進症,低β-リポ蛋白血症,無β-リポ蛋白血症

次に必要な検査

肝機能検査,甲状腺ホルモン(TSH,FT3,FT4),アポ蛋白(特にB)
変動要因
予想外というのは,他の脂質すなわちコレステロールや中性脂肪の値と乖離がある場合と考えれば,測定上に問題があると考えるべきである.すなわち,比濁法による測定では標準物質(あるいは管理血清)および試薬の劣化,さらに測定機器の問題が考えられる.いずれにしても簡易法であるということを認識してデータを読むべきである.
( 清島 満 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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