LDLレセプター
LDLレセプター
別名 | LDL受容体 |
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臨床的意義
- 本検査は次の場合に行われる.
- 家族性高コレステロール血症(FH)を疑うとき.
- 著明な高LDLコレステロール血症や若年発症の心筋梗塞,狭心症の家族集積などがみられて,ホモ型あるいはヘテロ型FHを疑うとき.
- 高コレステロール血症,LDLコレステロールの増加があり,LDLレセプターの機能異常が疑われるとき.
- FHはLDLレセプター遺伝子の欠失や変異といったさまざまな理由でLDLレセプターの機能低下がみられる.ホモ型あるいはヘテロ型FH患者のリンパ球は,内因性コレステロール合成が阻害されて,コレステロールが枯渇した状態に曝されても,有効に機能するLDLレセプターを細胞表面に発現できず,蛍光標識LDLを取り込むことができない.
- 本検査はバイオアッセイであり,予約検査として行われる.抗凝固剤の選択が適切でなかったり,検体の運搬を低温で行ったり,採血からアッセイまで時間がかかり過ぎると,リンパ球の試験管内のviability(活性)が低下するため正しい結果が得られないので注意が必要である.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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リンパ球のLDLレセプター活性:健常成人では80%以上,ヘテロ型家族性高コレステロール血症(FH)で低下,ホモ型FHで著明な低下
変動要因 - 低値
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ヘテロ型家族性高コレステロール血症、 ホモ型家族性高コレステロール血症
- 低値
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- ホモ型家族性高コレステロール血症
- ヘテロ型家族性高コレステロール血症
次に必要な検査
各種のLDLレセプター遺伝子変異の解析.
- 変動要因
- 抗凝固剤の選択や検体搬送に誤りがないか注意する.
- 抗癌剤,免疫抑制剤などリンパ球のviabilityに影響のある薬剤の投与がないか確認する.
- 臨床的な背景を参考に,蛋白変異や遺伝子検査の必要性を考慮する.研究目的ではあるが,わが国に頻度の高い6つのLDLレセプター遺伝子変異(C317S,1847T-C,P664L,K790X,E119K,L547V)の解析が検査会社にて行われていたが,2007年現在は受託を中止している(http://uwb01.bml.co.jp/test/investigation.asp).
( 久保信彦 )
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