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β-カロチン

β-カロチン

臨床的意義

  • β-カロチンは,トコフェロール(ビタミンE)とともに抗酸化作用をもつ.
  • 喫煙に起因する癌の発生は,β-カロチンの摂取により抑制されるとの発表から,予防医学の立場から注目を浴びていたが,1995年,アメリカNIHによる肺癌との大規模長期調査で有意な結果は得られなかったとの報告がなされた.
  • β-カロチンはビタミンAの前駆体であるが,β-カロチンの過剰摂取によるビタミンA過剰症は生じないことが明らかにされている.
  • β-カロチン濃度は男性より女性が高いが,喫煙,飲酒により50%以上の低値となり,運動,食生活習慣など,日常生活要因に強く影響され,これらが性差につながると考えられている.
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基準値・異常値

基準範囲
  • 男性 6.6~47.6μg/dl
  • 女性 20.4~105.2μg/dl
変動要因
高値

甲状腺機能低下症、  高コレステロール血症、  食事性柑皮症、  神経性食欲不振症、  肥満の減量療法、  閉塞性黄疸

食事性柑皮症,肥満の減量療法,神経性食欲不振症,甲状腺機能低下症,閉塞性黄疸,高コレステロール血症

低値

ストレス状態、  悪性腫瘍、  胃切除後、  飲酒、  肝硬変、  甲状腺機能亢進症、  高トリグリセリド血症、  高血圧、  心疾患、  脳卒中、  慢性膵炎

飲酒,高血圧(特に拡張期血圧),心疾患,脳卒中,肝硬変慢性膵炎,胃切除後,ストレス状態,甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍,高トリグリセリド血症

次に必要な検査
甲状腺および悪性腫瘍(特に肺癌胃癌,膵癌,肝癌,子宮癌)の検査.
変動要因
食事摂取のチェック.
( 橋詰直孝 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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