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ビタミンB6

ビタミンB6

別名 ピリドキサールリン酸,PLP

臨床的意義

  • 本検査は,ビタミンB6欠乏を疑うときに行われる.また,高カロリー輸液の際のB6のモニタリングとしても用いられる.
  • ビタミンB6欠乏症状は皮膚,中枢神経および血液(赤血球)で多く現れる.鼻,耳,口周辺にみられる脂漏様皮膚炎,特有な痙攣発作,小赤血球性低血色素性貧血などである.またビタミンB6酵素の活性減少として現れることもある.
  • PLPと拮抗的に作用する抗生物質,イソニアジド(INH)など抗結核薬や抗うつ薬投与時はビタミンB6の補強が必要とされる.
  • ビタミンB6の必要量は食事蛋白量に比例する.
  • ビタミンB6の血中,組織中レベルが正常であっても臨床的に欠乏症状を呈するビタミンB6依存症があるので注意が必要である.先天的にビタミンB6酵素の障害を有する小児にみられる.
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基準値・異常値

基準範囲
  • ピリドキサミン:0.6ng/ml以下
  • ピリドキサール:男性6.0~40.0ng/ml
    女性4.0~19.0ng/ml
  • ピリドキシン:3.0ng/ml以下
変動要因
高値

ビタミンB6剤投与

ビタミンB6剤投与

低値

ビタミンB6剤投与

ビタミンB6欠乏症

次に必要な検査
  • ビタミンB6欠乏症の誘因の有無を検索する.
  • 欠乏状態の指標として,赤血球トランスアミナーゼ活性とPLP効果(PLP添加による赤血球トランスアミナーゼ活性の増加率を測定),トリプトファン負荷試験を行う.
  • ビタミンB6依存症を疑ったら酵素(シスタチオニンβ-シンターゼ,γ-シスタチオナーゼ,キヌレニナーゼ,グルタミン酸脱炭酸酵素,アラニン-グリオキシル酸アミノ基転移酵素,オルニチンアミノ基転移酵素,γ-アミノレブリン酸合成酵素)を測定する.
変動要因
  • ビタミンB6剤服用の有無を調べる.
  • 検体保存方法をチェックする.
( 橋詰直孝 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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