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17-OHCS

17-OHCS

別名 17-ヒドロキシコルチコステロイド

臨床的意義

  • コルチゾールの副腎からの分泌が視床下部(CRF)-下垂体(ACTH)の支配のもとフィードバック機構が成立しているので,この系のどこに異常があっても17-OHCSは変化する.ACTHコルチゾールは日内変動を示すので,17-OHCSは朝高く,夕に低下する日内変動を示す.
  • 17-OHCSが高値の場合には,副腎に病変があるのか(副腎性Cushing症候群),下垂体に病変があるのか(Cushing病),異所性にACTH過剰があるのか(異所性ACTH産生腫瘍)の鑑別が必要となる.鑑別診断には血中コルチゾールACTHの測定が必要となる.
  • 17-OHCSが低値の場合には,副腎に病変があるのか〔Addison病,先天性副腎皮質過形成(21-OH lase欠損症,17α-OH lase欠損症)〕,視床下部下垂体に病変があるのか(視床下部下垂体機能低下症,Sheehan病,ACTH単独欠損症)の鑑別が必要となる.治療に用いる糖質コルチコイドのうち,17-OHCSとして反応する骨格を持つもの(ヒドロコルチゾンなど)は服用中17-OHCSは上昇するが,デキサメサゾンなどでは17-OHCSは低下する.
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基準値・異常値

基準範囲
  • 男性3.4~12.0mg/day
  • 女性2.2~7.3mg/day
変動要因
高値

Cushing症候群、  Cushing病、  ヒドロコルチゾン投与、  異所性ACTH産生腫瘍、  先天性副腎皮質過形成(11β-OH lase欠損症)、  副腎癌

Cushing症候群,Cushing病,異所性ACTH産生腫瘍,先天性副腎皮質過形成(11β-OH lase欠損症),副腎癌,ヒドロコルチゾン投与

次に必要な検査

コルチゾールACTHを検索する.
低値

17α-OH lase欠損症、  21-OH lase欠損症、  ACTH単独欠損症、  Addison病、  Sheehan病、  視床下部下垂体機能低下症

視床下部下垂体機能低下症,Sheehan病,ACTH単独欠損症,Addison病,先天性副腎皮質過形成(21-OH lase欠損症,17α-OH lase欠損症)

次に必要な検査

コルチゾールACTHを検索する.
変動要因
  • さまざまの薬剤の影響を受ける.測定値が高値に出るものとしてはスピロノラクトン,チアジド(サイアザイド),リファンピシン,フロセミド,ジゴキシン,クロルプロマジン,フェニトイン,コルヒチンなどがあげられる.低値に出るものとしてはエリスロマイシン,プロベネシド,レセルピン,ジフェニルヒダントイン,フェノバルビタールなどがあげられる.
  • 糖質コルチコイドは,構造式により17-OHCSを上昇させるものと低下させるものがある.
( 小田桐恵美 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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