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プレグネノロン

プレグネノロン

別名 P5

臨床的意義

  • 先天性副腎皮質過形成のうち21-水酸化酵素欠損症,3β-水酸化酵素欠損症で高値を示す.またCushing症候群のうちACTH過剰となる病態(Cushing病,異所性ACTH産生腫瘍)では,コレステロール→プレグネノロンの経路が促進されることからプレグネノロンは上昇する.そのほかに機能性副腎皮質癌では高値を示す.
  • 先天性副腎皮質過形成の一つであるPrader症候群では低値を示す.本症ではコレステロール→プレグネノロンの反応においてコレステロール側鎖切断酵素またはStARに異常があるために,副腎と性腺においてすべてのステロイドホルモンの生合成ができない.46XYの男性では胎生期の精巣での男性ホルモン産生障害のため,性表現型が女性である女性半陰陽となる.また,すべての症例で思春期以降の二次性徴の不全を生じると考えられる.さらにコレステロールから先の酵素反応が進まないため副腎皮質に脂質が沈着し,本症の名前(リポイド過形成)の由来となる.本症例は東洋人に多く,わが国でも先天性副腎皮質過形成のうち21-水酸化酵素欠損症に次ぐ頻度となっている.
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基準値・異常値

基準範囲
男性0.1~1.0ng/ml,女性0.2~1.5ng/ml
変動要因
高値

21-水酸化酵素欠損症、  3β-水酸化酵素欠損症、  Cushing病、  異所性ACTH産生腫瘍、  妊娠時、  副腎癌

Cushing症候群の一部(Cushing病,異所性ACTH産生腫瘍),先天性副腎皮質過形成の一部(21-水酸化酵素欠損症,3β-水酸化酵素欠損症),副腎癌,妊娠時

低値

Addison病、  Prader症候群、  下垂体機能低下症

先天性副腎皮質過形成の一部(Prader症候群),下垂体機能低下症,Addison病

次に必要な検査
異常値の場合,ACTH,ゴナドトロピン,コルチゾール,性ステロイドおよびそれらの中間代謝物と同時に測定し,下垂体-性腺,あるいは下垂体-副腎系のどこに異常があるのかを鑑別する.
変動要因
  • デキサメサゾンなどの強力なステロイドホルモンの投与によりACTH分泌が低下し,プレグネノロンは低値を示す.
  • 女性の場合,妊娠週齢が進むにつれて高値となる.
( 伊藤 聡 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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