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コルチゾン

コルチゾン

別名 Kendall's compound E

臨床的意義

  • コルチゾンは前駆物質であるコルチゾール値以外に,肝臓,腎臓をはじめ種々の組織の11β-HSD活性の影響を受けるので単独測定することは少ない.重篤な肝機能障害や腎機能障害でコルチゾールの代謝異常を疑うときやapparent mineralcorticoid excess症候群,偽性アルドステロン症を疑うときにコルチゾールと同時測定し,副腎皮質ホルモンの産生,代謝異常の病態把握のために測定することが多い.
  • コルチゾンの異常高値があるときには,その前駆物質であるコルチゾールの高値があることが多く,Cushing症候群などを原因として考える.コルチゾンが低値を示す場合には,コルチゾールの低値の場合以外に,11β-HSD活性の異常や肝機能異常,腎機能異常などが原因として考えられる.
  • 近年,尿中遊離コルチゾール/コルチゾン比の測定が腎11β-HSD type 2活性をある程度反映するとの報告があり,ELISAによる健常男性(n=187,平均年齢48歳)の尿中遊離コルチゾール/コルチゾン比は1.28±0.46とされている.
  • 高値の場合,コルチゾールも高値でCushing症候群を疑う場合には内分泌負荷試験,画像検査を行い鑑別診断する.低値の場合には血中コルチゾールも同時に低値であれば,副腎不全を考えて鑑別診断を行う.コルチゾンが低値でコルチゾールが高値である場合には,肝機能・腎機能低下,偽性アルドステロン症,apparent mineralcorticoid excess症候群を念頭におき検索する.
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基準値・異常値

基準範囲
  • 男性14.3~35.1ng/ml
  • 女性10.4~35.0ng/ml(午前9~12時採血)
変動要因
高値

コルチゾール

コルチゾールが高値となる疾患と同じ(【→】「コルチゾール」)

低値

apparent mineralcorticoid excess症候群、  偽性アルドステロン症

コルチゾールが低値となる疾患,apparent mineralcorticoid excess症候群,偽性アルドステロン

変動要因
測定系と交叉反応する合成ステロイドの投与を考える.
( 伊藤 聡 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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