プロスタグランジンE2
プロスタグランジンE2
略称 | PGE2 |
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臨床的意義
- 本検査は,尿量の異常,血圧の異常,腎機能の異常(特に腎血流量の低下が予想されるとき),レニン・アンジオテンシン系や抗利尿ホルモンの異常がみられるときに行われる.
- PGE2は,強力な血管拡張作用,レニン分泌刺激作用,ナトリウム利尿作用,抗利尿ホルモンに対する拮抗作用を有する.したがって,生体の水・電解質代謝や血圧調節に重要な役割を果たしている.また,血小板凝集抑制作用をも有する.その他,気道の拡張作用,胃酸分泌抑制作用,胃粘膜保護作用,妊娠時の子宮収縮作用,骨吸収作用,細胞増殖や免疫系の抑制作用などがある.
- 血漿中のPGE2濃度の測定は,由来臓器を特定できないとか,抽出法,測定系などの問題もあり,解釈に慎重を要する.むしろ,種々の体液中や局所を灌流する血液中のPGE2濃度を測定する方が望ましい.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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26pg/ml以下
- 高値
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腎血管性高血圧などの高レニン血症(腎静脈)、 分娩(血中・羊水中)
分娩(血中・羊水中),腎血管性高血圧などの高レニン血症(腎静脈)
- 低値
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アスピリンや非ステロイド系酸性抗炎症薬の服用中、 胃潰瘍患者の一部(胃液)
(測定感度10pg/ml未満)
胃潰瘍患者の一部(胃液),アスピリンや非ステロイド系酸性抗炎症薬の服用中
- 次に必要な検査
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血圧,水・電解質代謝の異常,腎機能の程度を腎血流量や糸球体濾過量を測定して評価する.併せて,血漿レニン活性,アンジオテンシンⅡ,抗利尿ホルモンなどを測定する.
( 片山茂裕 )
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