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抗ENA抗体

抗ENA抗体

別名 ENA抗体

臨床的意義

  • 抗ENA抗体は,MCTD以外,SLE,強皮症,PM/DMなどでも検出される.しかし,RNase感受性抗ENA抗体が単独陽性であることは,MCTDの診断に重要である.
  • RNase感受性抗ENA抗体は,通常RNase処理ENA感作血球に対する抗体価がENA感作血球に対する抗体価と比較して有意に(すなわち2管以上)低下した場合に陽性と判定される.すなわち,RNase感受性抗ENA抗体(+),RNase抵抗性抗ENA抗体(-)の場合,抗RNP抗体(+),抗Sm抗体(-)であることが考えられる.
  • ともに(+)の場合,①RNase抵抗性抗ENA抗体が2管以上低下しているならば,抗RNP抗体・抗Sm抗体(+)であることが示唆される.②RNase抵抗性抗ENA抗体が有意の低下を示さないならば,抗Sm抗体(+)が示唆される.しかし,低力価の抗RNP抗体が存在するか否かを二重免疫拡散法などで確認する必要がある.
  • SLE,強皮症,PM/DM,MCTDが考えられる場合に本検査を行うが,現在,保険の適応外である.
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基準値・異常値

基準範囲
陰性
  • RNase感受性:80倍未満
  • RNase抵抗性:80倍未満
変動要因
陽性

強皮症、  混合性結合組織病(MCTD)、  全身性エリテマトーデス(SLE)、  多発性筋炎(PM)/皮膚筋炎(DM)、  膠原病重複症候群

混合性結合組織病(MCTD)で全例,このほか,全身性エリテマトーデス(SLE),強皮症,多発性筋炎(PM)/皮膚筋炎(DM),膠原病重複症候群で陽性となる.

次に必要な検査
  • 抗ENA抗体が検出された場合,抗体の特異性を二重免疫拡散法などで確認する.
  • 臨床症状,検査成績から,MCTD,SLE,強皮症,PM/DMなど診断の検討を行う.
変動要因
PHA反応で血球凝集価が低値あるいは陰性である場合でも,二重免疫拡散法で抗Sm抗体,抗RNP抗体を測定すると,抗体の特異性が明らかにされることがある.
( 鏑木淳一 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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