抗平滑筋抗体
抗平滑筋抗体
略称 | ASMA |
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別名 | 平滑筋抗体 |
臨床的意義
- 自己免疫機序の関与が推測される肝疾患(特に自己免疫性肝炎,自己免疫性胆管炎)に,本抗体は高率に40倍以上の高値陽性となる.その他の肝硬変,ウイルス性肝炎,まれに悪性腫瘍,関節リウマチでも検出されるが,抗体価は低く一過性の場合も多い.
- 抗平滑筋抗体は自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)では陰性であるため,自己免疫性肝炎とSLEでの肝障害の鑑別にも用いられる.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性(20倍未満)
変動要因 - 陽性
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アルコール性肝障害、 ウイルス性疾患、 肝硬変症、 原発性胆汁性肝硬変、 自己免疫性肝炎、 自己免疫性胆管炎
- 次に必要な検査
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抗核抗体,抗DNA抗体,抗肝腎マイクロゾーム(LKM)抗体,リウマトイド因子などの自己抗体検査,CH50,肝組織像検査による確診,肝機能の定期的測定.
- 変動要因
- 抗核抗体(ANA;均質型,まれに斑紋型)やリウマトイド因子(RF)などの検査とともに,総合的に判定する.
- 血清検体や蛍光抗体法検査法(核材,蛍光顕微鏡)について検索する.
( 吉田 浩 )
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