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抗副腎皮質抗体

抗副腎皮質抗体

略称 AACA
別名 副腎皮質抗体

臨床的意義

  • 本検査は,Addison病を疑うとき,他の自己免疫性内分泌疾患を有する患者におけるAddison病のスクリーニングにおいて行われる.
  • Addison病は副腎原発性の慢性副腎皮質機能低下症である.すなわち,副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド(glucocorticoid,cortisol),鉱質コルチコイド(mineral corticoid,aldosterone),副腎アンドロゲン(adrenal androgen,dehydroepiandrosterone:DHEA)の欠乏症状が発生する.通常,副腎皮質の90%以上が破壊されないと症状は現れないといわれる.
  • かつて結核性が多かったが,近年特発性も多くなっている.特発性Addison病で40~70%の患者に本抗体が陽性となる.結核性Addison病でも若干ながら陽性になることがある.本抗体が副腎皮質に直接障害を与えるのか,あるいは別機序による副腎皮質破壊の結果抗体が産生されるのかは定かでないが,いずれにしても本抗体は特発性Addison病と密接な関連がある.
  • Addison病以外の自己免疫性内分泌疾患,例えば甲状腺,副甲状腺,1型糖尿病患者などで抗副腎皮質抗体が陽性の場合,潜在性Addison病を併発しているかあるいは今後発症してくる可能性を示唆する重要な所見である.
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基準値・異常値

基準範囲
陰性(20倍未満)
変動要因
高値

1型糖尿病、  Addison病

Addison病,1型糖尿病

次に必要な検査
  • Addison病として確認すべき検査項目は,血液中のコルチゾールアルドステロンデヒドロエピアンドロステロン濃度,ACTH,尿中17-OHCS17-KS,血清Na,K濃度と心電図所見などである.また結核性の否定のため結核の検索(胸部X線検査,喀痰塗抹培養,ツベルクリン反応),CTなど画像検査による副腎の把握,下垂体肥大(二次的過形成)の確認を行う.
  • 他の臓器特異的自己免疫疾患を伴うことがあるため検索が必要である.すなわち,悪性貧血や多腺性自己免疫症候群(Ⅰ型:副甲状腺,副腎皮質,Ⅱ型:副腎皮質,甲状腺,1型糖尿病)の場合があるので,他の内分泌腺に対する自己抗体を検索する.
変動要因
健常者でも陽性のことがある(1%程度).
( 今福裕司 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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