抗アセチルコリンレセプター阻害型抗体
抗アセチルコリンレセプター阻害型抗体
別名 | blocking type AChR Ab,抗AChR阻害型抗体,アセチルコリンレセプターブロッキング型抗体 |
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臨床的意義
- 以下のとき本検査を行う.
①MGを臨床的に疑うとき,抗AChR結合型抗体と併せて本抗体検査を実施すべきである.
②胸腺腫(thymoma)を疑うとき(抗骨格筋抗体や抗Titin抗体を本抗体と同時に測定し陽性を示せば,確実性は増す.なお抗MuSK抗体は陰性を示す).
③薬物療法,外科療法,血漿交換療法を行う前後で血中抗体価のモニタリングとして活用する. - 本抗体も抗AChR結合型抗体と同様,眼症状のみを示す小児型やⅠ型(眼筋型)MGでは陰性例が多くみられるが,全身型タイプのMGでは70%以上が陽性を示す.
- MGのうち胸腺腫合併例では90%以上の高い検出率を示し,しかも同時に抗骨格筋(横紋筋)抗体も出現する.健常者の偽陽性はほとんどないことから,本抗体検査陽性例はMGを疑う.
- 臨床応用としては,各種の治療を行う前後および途中過程では,臨床像の推移とともに,血中AChR阻害型活性をモニタリングすることが有用である.症例ごとに経過を追うと抗体活性と臨床像は大まかに相関する.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性(阻害率が10%以下)
- 陽性
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胸腺腫合併重症筋無力症、 重症筋無力症
重症筋無力症(眼筋型の一部および全身症状を示すタイプの70%が本抗体陽性,胸腺腫合併重症筋無力症では80%が陽性.結合型タイプと同様の傾向を示すが,なかには相関しない例あり)
- 偽陽性
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重症筋無力症を発症していない胸腺腫の一部
重症筋無力症を発症していない胸腺腫の一部(後に重症筋無力症を発病するまれな例がある)で弱陽性を示す.
( 太田光煕,太田潔江 )
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