抗リン脂質抗体
抗リン脂質抗体
別名 | 抗PL抗体,抗カルジオリピン(CL)抗体,ループスアンチコアグラント(LA),リン脂質抗体 |
---|
臨床的意義
抗CL抗体と/またはLAの陽性は,SLEなどの自己免疫疾患,動静脈血栓症,中枢神経疾患(脳梗塞,一過性脳虚血,脊髄炎など),肺梗塞,習慣流産,子宮内胎児死亡,血小板減少症などとの関連が知られており,これらについて検索するとともに,凝固・線溶系をチェックし,抗凝固療法や抗血小板療法を行う.
詳細を見る
基準値・異常値
- 基準範囲
-
- 抗CL抗体:1.0未満
- LA:陰性
- 異常値を呈する場合
-
ITP、 SLE、 原発性抗リン脂質抗体症候群(APS)、 習慣流産
原発性抗リン脂質抗体症候群(APS),SLEなど膠原病,ITP,習慣流産など
- 次に必要な検査
-
凝固・線溶系検査,自己抗体(抗核抗体,抗プロトロンビン抗体など),血栓確認のための画像診断(エコー,CT,ドプラ法など),病理学的な血管炎の証明.
- 変動要因
- 抗CL抗体:ELISAでは,血清の加熱不活化や凍結融解の繰り返しにより偽陽性反応がみられる.検査前の過程をチェックする.
- LA:不適当な血漿検体(血小板の混入,不適切な温度管理など)やコントロールが不適当の場合などで偽陰性または偽陽性となることがあり,これらについても検索する.
( 吉田 浩 )
「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。