子宮筋腫
uterine myoma
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 子宮筋腫は腫瘍であるが,組織診断は摘出しなければできないので,確定診断は本来手術例にのみ可能である.
- 手術適応は,子宮全体の大きさとその変化,月経随伴症状により決定するので,内診をしなくても,超音波所見(またはMRI・CT)と問診,貧血の有無でだいたい判断することができる.
- 年齢,経妊経産・結婚の有無,挙児希望の有無により手術方法が異なることがあるのでこれらを確認しておく.
- 症状では,過多月経,過長月経,不正出血,月経困難症,下腹部腫瘤感,膀胱圧迫症状などが主なものである.
- 頻度は低いが子宮肉腫との鑑別がつかないケースがあるということにも留意し,筋腫だからほうっておいてよいわけではない(子宮肉腫の頻度0.1~3%,子宮悪性腫瘍の2%).
- 手拳大以上の大きさ,急速に大きくなる(1 カ月で明らかに大きくなる場合,超音波でそれぞれの径が1 cm くらいずつ以上差がある場合),出血が多く貧血が強い場合,月経困難症の続く場合,子宮癌検診を最近1 年受けていない場合などは産婦人科へ紹介する.
- 多くの場合は閉経後縮小する.なかには増大するものがあるがその場合,肉腫など悪性の可能性もあるため,産婦人科へ早急に紹介する.
検査
①超音波:膀胱充満後,矢状断および横断面について測定する.筋腫1 つひとつの大きさと子宮全体の大きさを測る.
②腫瘍マーカー:大きい場合(手拳大以上)腫瘍と考え腫瘍マーカーを検査しておくのは意味がないわけではない.たとえばCA125,CA19-9,TPA など.
③CT:多くの場合エコーにて診断が可能であるが,他の腫瘍(卵巣)などとの鑑別に役立つことがある.骨盤内CT は通常造影が必要.
④MRI:筋腫核が明瞭に描出され,子宮腺筋症との鑑別によい.また筋腫核出術を施行する場合,その適応と子宮内膜との距離など有用なので可能であれば施行しておく.
②腫瘍マーカー:大きい場合(手拳大以上)腫瘍と考え腫瘍マーカーを検査しておくのは意味がないわけではない.たとえばCA125,CA19-9,TPA など.
③CT:多くの場合エコーにて診断が可能であるが,他の腫瘍(卵巣)などとの鑑別に役立つことがある.骨盤内CT は通常造影が必要.
④MRI:筋腫核が明瞭に描出され,子宮腺筋症との鑑別によい.また筋腫核出術を施行する場合,その適応と子宮内膜との距離など有用なので可能であれば施行しておく.