尿閉
urinary retention
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部（各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」）を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は，他に出典の明示があるものを除き，医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- さまざまな原因疾患(表1)により排尿することができず，膀胱に尿がたまり排出できない状態をいう．
- 下部尿路閉塞性疾患が原因となり，前立腺肥大症を中心とする前立腺疾患，その他，脳血管障害後や糖尿病合併による神経因性膀胱や，薬物服用などで起こりうる．
- 発症の経過から急性尿閉，慢性尿閉に，また排尿不能の程度から完全尿閉，不完全尿閉に分けられる．
検査
尿閉の場合，腹部触診で膨隆した下腹部を触れ，圧迫により尿意が強くなる．腹部エコーをすれば拡張した膀胱を確認できる．拡張した膀胱があれば，水腎症の有無を確かめ，前立腺肥大の有無もみる．ネラトンカテーテルやフォーリーカテーテルなどによる導尿で大量の尿が得られる（1,000 mL 以上のこともある）．尿が汚れていれば尿培養を提出しておく．
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表1 尿閉の原因疾患
部位 疾患 膀胱 神経因性膀胱，膀胱（頸部）腫瘍，膀胱結石・異物，膀胱内凝血，膀胱脱，膀胱頸部硬化症 前立腺 前立腺肥大症，前立腺癌，前立腺炎 尿道 尿道損傷，尿道腫瘍，尿道狭窄，尿道結石・異物，尿道弁形成 その他 薬物（抗コリン薬，抗ヒスタミン薬など） 精神的（心理的）要因
