疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。
「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。
(リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
- 内頸動脈終末部に原因不明の狭窄を生じ,虚血性,出血性病変を生じる慢性進行性の脳血管疾患である.脳底部に側副路と推測される異常血管網を形成し,その脳血管撮影での画像所見からもやもや病(moyamoya disease)ともいわれる.日本人に多発する.
- 若年発症例では脳梗塞などの虚血性の病態を生じる.成人発症では側副血管からの出血が多い.
- 虚血発作に対しては病態に応じて外科的血行再建術が考慮される.治療は「脳卒中治療ガイドライン 2009」を参考にして進める.
- 厚生労働省の特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定されており,医療費の公費による補助がある.
検査
頭部 MRI では,前頭葉,側頭葉に虚血性変化を認める.また,側副血管が flow void としてみられる.頭部 MRA では両側の内頸動脈終末部,前大脳・中大脳動脈近位部に狭窄または閉塞を認める.大脳基底核部に特徴的な網状の異常血管網を認める.脳血管撮影で,頭部 MRA でみられる両側の内頸動脈終末部から前大脳・中大脳動脈近位部の狭窄または閉塞を認める.動脈相で両側大脳基底核部に異常血管網を認める.