『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 一般診療でアポリポ蛋白Eアイソフォームを測定することはまれかもしれない.血清の中性脂肪,総コレステロールがともに高値で,リポ蛋白分画検査でβ-VLDLが存在しかつEが著明に高値で,家族性Ⅲ型高脂血症を疑うとき,認知症の原因として晩発性アルツハイマー病を疑うとき,などで測定する.
- 日本人のおよそ70%はE3/E3であるといわれている.E3,E2,E4の順に多くみられる.個人の表現型はこれら3種類の2つの組み合わせ(E3/E3,E3/E4,など)で表現される.
- アポリポ蛋白EはCM(chyromicron:カイロミクロン),VLDL(very low density lipoprotein,プレβ-リポ蛋白)をはじめとする中性脂肪を運搬するリポ蛋白やHDL(high density lipoprotein:高比重リポ蛋白,α-リポ蛋白)に含まれる.これらのリポ蛋白中のコレステロールや中性脂肪はE2やE4を有する方がE3よりも高い(理由は明らかではない).
- アポリポ蛋白Eは,CMレムナントやVLDLの肝臓への取り込みに関わり,マクロファージとの親和性が高いことから動脈硬化症との関連が考えられている.
- アポリポ蛋白Eの150番目付近の構造には,リポ蛋白が細胞に取り込まれるレセプターと結合するリガンド機能がある.変異型の結合能には異常がみられる.たとえば,E2のリガンド機能は野性型のE3と比較してLDLレセプターに対する結合力がおよそ2%程度と低下している.
- E4はまた晩発型アルツハイマー病に関係していると報告されている.アポリポ蛋白Eは脳に沈着するアミロイド蛋白の一つとして知られ,E4はLRPと相互作用をした結果,脳神経細胞の伸展やmicrotubuleの形成を阻害するともいわれている.