『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 血漿MHPGのおよそ60%は中枢神経に由来するので,MHPG値は中枢神経系の活動を反映している.すなわち,中枢神経におけるノルアドレナリン作動神経活動異常を伴う精神神経疾患の診断と治療効果の判定に有用である.
- たとえば,未治療の統合失調症の血漿MHPGは高値であり,治療により症状が改善すると低下する.躁うつ病の躁状態,Huntington症候群,神経性食欲不振症などでは髄液や血漿中MHPGが増加する.逆に,未治療のうつ病やAlzheimer病,慢性疲労症候群では低値となる.
- ただし,褐色細胞腫や神経芽細胞腫などのカテコールアミン産生腫瘍でもMHPGが増加するので,中枢ノルアドレナリン作動神経活動を評価するにはこれらの腫瘍がないか確認しておく必要がある.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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高値 |
Huntington症候群、 神経性食欲不振症、 統合失調症、 躁うつ病の躁状態
躁うつ病の躁状態,統合失調症,Huntington症候群,神経性食欲不振症 |
低値 |
Alzheimer病、 慢性疲労症候群、 躁うつ病のうつ状態
躁うつ病のうつ状態,Alzheimer病,慢性疲労症候群 |
変動要因 |
MHPGは比較的安定であるが,カテコールアミンと同じく,EDTA-2Na添加試験管での採血が必要である.これらの採血条件についてチェックする.
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( 中井利昭 )