理解できる診療

Home
診療サポート
医師のフィロソフィー
福家 啓起 先生

 福家先生は、高血圧を中心とした生活習慣病の治療・指導などの診療全般を行う一方、循環器内科と、MRIやCTなどの画像診断とを融合させた診療スタイルを確立されました。現在は、王子会神戸循環器クリニックの診療科長として、日常の診療を実施されるとともに、アメリカ心臓協会など各地で循環器画像診断の発表・講演に取り組まれています。
その福家先生の医療に対する哲学についてお話を伺いました。

循環器内科と画像診断の融合

 心電図や超音波、内視鏡と同様、CTやMRIも自らの手足のように使いこなせたらいいな、と思われたことはないでしょうか?当院では日々の診療の中で、それを可能にしています。
 当院では128列MDCTと心臓対応32チャンネルコイルを備えた1.5T MRIを備え循環器専門医が自ら撮影や解析に関与し診療に直接使用しています。造影検査に必要な腎機能の評価も、その場で結果が出せる迅速判定機器を用いて、初診でも必要な場合、その場で造影検査を行えるようにしています。


 心臓画像診断を始めたのは、以前赴任した病院に当時可能になったばかりの3D非造影冠動脈MRA対応のMRIが入った時です。その画像を見て、放射線と造影剤無しで冠動脈評価ができるのなら、患者さんの利益は大きいはずだ、是非広めようと決心しました。  
 しかし、世界でも始まったばかりの検査で教われる施設もなく、放射線技師と二人三脚で資料を探すところから手探りで進めていきました。後に教わる機会が少しありましたが、私は画像診断をほぼ独学で習得しています。
 そのうち気がついたことが2つあり、循環器内科と放射線科がコラボレーションすることで開ける新たな診療の可能性と、画像の説明時に患者さんから「これだけわかりやすい説明は聞いたことがない」とお礼を言われることが多かったことです。
 前者は放射線科のベースの上で、臨床医が診療に必要な情報を自ら適切に得られることで、例として冠動脈CTによるPCI(経皮的冠動脈形成術)のナビゲーションを挙げます。後者は「百聞は一見に如かず」といったところでしょうか?

患者さんが「理解できる」診療

 以上の手応えを感じていた時にお誘いを頂き、専門施設の神戸循環器クリニックを立ち上げました。
 当院で感じることは、自分の状態を理解できないまま治療や検査を受けている、不安な心境の患者さんが多い、ということです。冠動脈疾患を例にとると、何故冠動脈造影が必要か、解らないまま検査を受けている方は多いと思います。負荷心電図の所見を理解できる患者さんはまずいなくて、胸部症状があるから辛うじて受容できている、といった印象です。一方、CTやMRIで事前に状態を視覚的に見ていれば、必要性を直感で理解していただけます。

画像診断でのサポート

 最近では心臓だけではなく、放射線科と連携して他科領域の画像診断も行うようになりましたが、例えば冠動脈の狭窄やプラークだけではなく、頭部深部皮質下白質病変、肺気腫など画像を用いて説明すると患者さんの反応が違います。そのインパクトが残っているうちに生活習慣の管理が重要と強調するようにしています。健康管理のために努力を続けなければならないのは患者さん本人で、間違いなく本人さんが医療の主役です。
 患者さん自身が主役として自己管理していく、納得の上検査や治療を続ける。画像診断を通じて理解を深め、モチベーションを上げることでその手助けができるように今後も努めていきたいです。
 最近はIT環境の整備が進んできたので、データのやり取りによる診断や治療の支援も可能になってきました。当院でも積極的に他院・他科との連携を行っています。循環器内科に限らず臨床医が求めている画像情報を的確に提供し、患者さんの健康管理に貢献できるよう、今後も努力していきます。

(2013年5月公開)

福家 啓起 先生 ご略歴

BIOGRAPHY
王子会 神戸循環器クリニック

王子会 神戸循環器クリニック

〒650-0017
神戸市中央区楠町6-11-5
Tel: 078-367-7222