松尾先生は、松尾クリニックの院長として、患者さんの「そばにいる医療」を実践し、積極的に在宅医療に取り組んでおられます。
1)納得のいく質の高い診療
2)親身になった在宅医療
3)患者会を通じての患者さんとの交流
を基本方針として取り組まれている松尾先生の医療に対する哲学についてお話を伺いました。
外来と在宅医療
開業したきっかけは、入院していた患者さんが一時帰宅すると、いきいきしておられ、「在宅医療の方が元気になられるのでは」と感じ、病院という場所ではなく、患者さんの「そばにいる医療」を実践したいと思ったからです。専門は循環器でしたが、他分野の疾患をお持ちの方達がたくさん診療に来られ、多くの気付きを与えていただきました。迅速に検査結果などを知り病態や今後の方針を説明したいため、外注しないで院内検査の各種装置を導入し、血球検査・生化学・血糖およびヘモグロビンA1cなどの結果を診察待ちの間に出し、患者さんに喜ばれています。
糖尿病教室は、調剤薬局の薬剤師さんと糖尿病療養指導士2名と定期的に開催しており、管理栄養士による指導にも力を入れております。運動療法としてボウリングも実施しており、最近では効率よい歩行が必要と考え「ポスチャーウォーキング」も取り入れるなど、楽しみながら続けられるよう心掛けています。
28年前はまだ在宅医療幕開けの時代で、在宅医療の診療点数もなく、試行錯誤の連続でしたが、2000年には訪問看護ステーション「来夢」と「在宅支援センター」を立ちあげ、24時間体制で在宅支援診療所としてナース達と共に忙しくしています。
患者会とデイケア
開院当初から出入り自由の患者会「松樹会(しょうじゅかい)」を作り、ボランティアと共に年に3回、100名ほどが集う会を継続しております。医療や予防に関する話を実施しレクリェーションも欠かしません。毎月1回、手先の訓練も兼ねて書道や七宝焼き、転倒防止のための太極拳を実施しております。年に1回の患者さんとの日帰り旅行や作品を展示する「みんなの作品展」も好評です。
パワーリハビリを含めたデイケアは、患者さんの提案がきっかけで始めて10年になり、楽しく持続しています。
今後は
「楽しくないと長続きしない」をモットーに走り続け、今後もQOLを高めるため「そばにいる医療」をスタッフと共に実践していきたいと思います。
松尾 美由起 先生 ご略歴
昭和48年 | 国立広島大学医学部卒業 |
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昭和49年 | 全人的医療に惹かれ、 淀川キリスト教病院内科に勤務 |
昭和53年 | 八尾徳洲会病院 循環器内科勤務 |
昭和58年 | 八尾徳洲会病院 地域医療部 副部長就任 |
昭和60年 | 地域の医療の中で自分を見つめる為に松尾クリニック開院 院長就任。 開院当初より訪問診療(在宅医療)を始める |
昭和61年 | 医薬分業、訪問看護、患者会(松樹会)の活動開始 |
平成6年 | 医療法人松尾クリニック開設 理事長就任 |
平成8年 | 訪問看護ステーション「来夢」 開設 |
平成15年 | ケアプランセンター、通所リハビリテーション開設。 パワーリハビリテーションをスタート |
平成21年 | 兼任していた理事長を交代し、 院長に専任 |
主な方針
1)納得の行く質の高い診療
2)親身になった在宅医療
3)患者会(松樹会)を通じての患者さんとの交流
4)病診連携と継続診療
5)医薬分業
所属する学会
・日本内科学会 認定内科医
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本救急医学会 救急科専門医
・日本超音波医学会 超音波専門医
・日本糖尿病学会
・パワーリハビリテーション研究会
主な著書
・「在宅医療こそ私の歩む道」 悠飛社
・「褥創治療プラクティス」 プリメド社
・「はじめよう在宅医療21」 医学書院
・「老年医学・精神医学」 嵯峨野書院
・「実践!Dr.鳥谷部のHow to ラップ療法」
DVD 株式会社ケアネット
医療法人 松尾クリニック
〒581-0803
八尾市光町1丁目46番地
ダイエービルド八尾ビル2階
TEL:072-991-6586
FAX:072-924-5351