HAMテスト
HAMテスト
別名 | 酸性化血清溶血試験,酸性化血清細胞溶解試験,酸性化血清試験,酸溶血試験,ハムテスト |
---|
臨床的意義
- 血管内溶血をきたす溶血性貧血が疑われ,スクリーニングとして施行されたシュガーウォーターテストが陽性であったとき,あるいは,臨床症状などからPNHが疑われるときに実施する検査である.
- 本試験でみられる溶血は,赤血球膜の補体感受性が亢進しているために生じた補体溶血であり,抗体の介在なしに生じていることが示唆される.HAM試験はPNHにほぼ特異的なので診断的な価値が高い.
- なお,HEMPAS(hereditary erythroblastic multinuclearity associated with a positive acidified serum test)と称されるきわめてまれな先天性貧血(congenital dyserythropoietic anemia typeⅡ:CDA-Ⅱ)で陽性を示すことがあり,補助診断となる.
詳細を見る
基準値・異常値
- 基準範囲
-
陰性
変動要因 - 陽性
-
HEMPAS(CDA-Ⅱ:先天性赤血球異形成貧血Ⅱ型)、 再生不良性貧血-PNH症候群、 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH),再生不良性貧血-PNH症候群,HEMPAS(CDA-Ⅱ:先天性赤血球異形成貧血Ⅱ型)
- 次に必要な検査
-
赤血球と顆粒球についてフローサイトメトリーのtwo-color解析を実施し,DAF(CD55)およびMIRL(CD59)が欠損した血球群が確認されれば,PNHと診断できる.
- 変動要因
- HAM試験は,PNHにほぼ特異的であるが,陰性結果はPNHを否定するものではない.
- HEMPASでは,正常血清中のHEMPAS抗体(IgM)を自己赤血球で吸着した血清を用いれば,反応が陰性化する.PNHの溶血は,抗体の介在なしに生じる補体溶血なので,吸着血清でも陽性を示し,区別される.
( 村上純子 )
「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。