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学校検尿異常所見者の扱い

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 学校検尿は 1974 年にはじまり,40 年以上経過した今でも各市町村や学校でのシステムはさまざまである.
  2. 精密検診は,公的施設を用いて集団的に行う方式(A 方式)と,直接近隣の医療機関を受診する方式(B 方式)があり(日本学校保健会:集団検尿のシステム.学校検尿のすべて平成23年度改訂. pp.14-15,日本学校保健会,2012参照),8 割が B 方式である.
  3. 精密検診の目的は慢性腎不全に移行する可能性のある腎炎患者の抽出,暫定診断(日本学校保健会:3次集団または学校医・主治医による精密検査と暫定診断.学校検尿のすべて平成23年度改訂.日本学校保健会,2012:28.参照)の決定,軽微な尿所見者のみの子どもの適切な管理基準の決定である.
  4. 小児腎臓病専門施設に紹介する前や,紹介の基準に達していない場合は学校生活管理指導表を指導区分の目安(日本学校保健会:学校生活管理指導表とその活用.学校検尿のすべて 平成23年度改訂版.p.68,日本学校保健会,2012参照)を参考に記入を行う.
  5. 小児腎臓病専門施設紹介となる適応(表3)は,ある一定の蛋白尿が一定期間持続する場合や,肉眼的血尿がある,低蛋白血症を認める,低補体血症を認める,高血圧を認める,腎機能障害を認める場合である.
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表3 小児腎臓専門施設への紹介基準
表はPC版サイトをご覧ください

精密検診

①精密検診の目的は,①慢性腎不全に移行する可能性のある腎炎の子どもを抽出する.②暫定診断(日本学校保健会:3次集団または学校医・主治医による精密検査と暫定診断. 学校検尿のすべて平成23年度改訂. 日本学校保健会, 2012:28. 参照)を決定し,経過観察方針を決定する.③腎炎以外の腎不全に移行する可能性のある慢性腎臓病患者を発見する.④軽微な検尿有所見者には厳しい生活規制を強いない.
②問診・診察
 尿検体の適切性の確認(早朝第一尿であるか,月経中),家族内腎疾患(良性家族性血尿,Alport 症候群など),高血圧の有無,溶連菌感染症・血管性紫斑病の罹患,腎疾患の症状の有無(浮腫,全身倦怠感,食欲不振,頭痛・頭重感,腰痛,微熱の継続,頻尿・排尿痛,乏尿・多尿など)
③最低限行う検査
 腎炎の鑑別に特異度の高い検査,診断の一助となる検査
 ① 身体計測と血圧:身長,体重,血圧計測
 ② 尿検査:尿定性(潜血,蛋白),尿沈渣,尿蛋白/尿クレアチニン比
 ③ 血液検査:蛋白,アルブミン,Cr,尿素窒素,血清補体(C3)
④その他の検査
 ① 尿沈渣のWBC:5/視野以上で異常,尿路感染症の疑い
 ② 尿β2ミクログロブリン/尿Cr 比:尿細管の異常をきたす疾患,尿路感染症,急性・慢性腎不全,間質性腎炎で高値
 ③ 末梢血:白血球減少や汎血球減少はSLE で認められる.
 ④ 抗核抗体・免疫グロブリン(IgG・IgA):SLE やIgA 腎症の鑑別に重要
 ⑤ シスタチンC(cys C):糸球体濾過量に依存
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