睡眠時無呼吸症候群
| 略称 | SAS |
|---|---|
| 別名 | sleep apnea syndrome |
疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。
「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部（各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」）を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は，他に出典の明示があるものを除き，医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 （リンク先：http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690）
Clinical Chart
- 睡眠時無呼吸症候群は閉塞型と中枢型に分類される．
- 閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は 1 時間当たりに閉塞型の無呼吸低呼吸イベント(apnea hypopnea index：AHI)が 5 回以上であることに加えて，睡眠呼吸障害による自覚症状(日中の傾眠，睡眠時の窒息感，熟眠感の欠如など)を伴う．
- 中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)は，有症状で終夜睡眠ポリグラフィーにより 1 時間に 5 回以上の中枢型呼吸イベントを認め，さらに覚醒時の PaCO2が高値で肺胞低換気を伴う“hypercapnic type”と，PaCO2が正常値を示す“non－hypercapnic type”に分類される．
- SAS の診断では終夜睡眠ポリグラフィー(polysomnography：PSG)が golden standardであるが，PSG を受けられない場合には簡易検査によるスクリーニングも行われる．
- OSAS の重症度分類は，軽症(5≦AHI＜15)，中等症(15≦AHI＜30)，重症(30≦AHI)に分類され，中等症以上になると心血管イベントが増加するため治療を要する．一方， CSAS の重症度分類は決められていない．
- OSAS では低酸素血症や交感神経系の賦活化による高血圧症などを経て，心血管・脳血管イベントのリスク上昇などを引き起こすため治療を要する．
- CSAS では交感神経系の賦活化から血圧上昇，脈拍増加などから心不全の増悪を引き起こして悪循環に陥るため，SAS の治療が重要となる．
- 治療は原疾患の治療に加えて，呼吸補助療法が主体となる．
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検査
＜終夜睡眠ポリグラフィー（polysomnography：PSG）＞
睡眠時無呼吸症候群の診断では，PSG がgolden standard である．口と鼻の気流停止・低下から無呼吸・低呼吸を判断でき，その際の胸郭と腹部の呼吸運動を知ることでOSAS・CSAS・混合型の3型に分類可能となる．また，気流の停止や呼吸運動に加えて，パルスオキシメトリーによる酸素飽和度の低下，脳波による睡眠状態のモニターにより睡眠潜時，睡眠ステージ（深さと質）がわかり，四肢のセンサーにより睡眠の中断を引き起こす不随意運動などを総合的に評価する．PSGにより多くの情報を得ることが可能となり，日中の眠気を伴う鑑別診断（概日リズム睡眠障害，特発性過眠症，ナルコレプシー，レム睡眠行動障害，周期性四肢運動障害，むずむず脚症候群など）を行う．
＜簡易検査（睡眠時無呼吸モニター）＞
検査の煩雑さと患者のライフスタイルなどからPSGが行えない場合などに，簡易検査でスクリーニングを行うこともある．パルスオキシメトリーによるSpO2のモニタリング，エアフローセンサーによる鼻・口での気流の測定，気管音センサーによるいびきの検出に加えて，体位センサーを組み合わせた評価が可能な機種もあり，「仰臥位で無呼吸が多いが側臥位では少ない」などの評価が可能となる．
簡易検査でAHIが高値の場合はCPAP（continuous positive airway pressure）治療を導入するが，AHIが低値であってもSAS を否定することはできないことが重要である．実診療において簡易検査で得られるパラメータとしては，AHIよりも3％ oxygen desaturaion index（3％ODI：SpO2が前値から3％以上低下するイベントが1 時間あたりに起こる回数）の方がPSGにおけるAHI と有意に相関するとの報告もある．DSI（desaturation index；3％ODI を用いることが多い）が15以上かつbody mass index（BMI）が25以上でスクリーニングする方法（感度93.1％，特異度71.4％，オッズ比33.8）も報告されている．
睡眠時無呼吸症候群の診断では，PSG がgolden standard である．口と鼻の気流停止・低下から無呼吸・低呼吸を判断でき，その際の胸郭と腹部の呼吸運動を知ることでOSAS・CSAS・混合型の3型に分類可能となる．また，気流の停止や呼吸運動に加えて，パルスオキシメトリーによる酸素飽和度の低下，脳波による睡眠状態のモニターにより睡眠潜時，睡眠ステージ（深さと質）がわかり，四肢のセンサーにより睡眠の中断を引き起こす不随意運動などを総合的に評価する．PSGにより多くの情報を得ることが可能となり，日中の眠気を伴う鑑別診断（概日リズム睡眠障害，特発性過眠症，ナルコレプシー，レム睡眠行動障害，周期性四肢運動障害，むずむず脚症候群など）を行う．
＜簡易検査（睡眠時無呼吸モニター）＞
検査の煩雑さと患者のライフスタイルなどからPSGが行えない場合などに，簡易検査でスクリーニングを行うこともある．パルスオキシメトリーによるSpO2のモニタリング，エアフローセンサーによる鼻・口での気流の測定，気管音センサーによるいびきの検出に加えて，体位センサーを組み合わせた評価が可能な機種もあり，「仰臥位で無呼吸が多いが側臥位では少ない」などの評価が可能となる．
簡易検査でAHIが高値の場合はCPAP（continuous positive airway pressure）治療を導入するが，AHIが低値であってもSAS を否定することはできないことが重要である．実診療において簡易検査で得られるパラメータとしては，AHIよりも3％ oxygen desaturaion index（3％ODI：SpO2が前値から3％以上低下するイベントが1 時間あたりに起こる回数）の方がPSGにおけるAHI と有意に相関するとの報告もある．DSI（desaturation index；3％ODI を用いることが多い）が15以上かつbody mass index（BMI）が25以上でスクリーニングする方法（感度93.1％，特異度71.4％，オッズ比33.8）も報告されている．
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