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シェーグレン症候群

略称 SS/SjS
別名 Sjögren syndrome

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 慢性唾液腺炎と乾燥性角結膜炎を主徴とし,多彩な自己抗体の出現や高ガンマグロブリン血症をきたす自己免疫疾患のひとつである.
  2. 眼と口内の乾燥症が主症状となるが,外来には関節痛を主訴に来院されることが多い.唾液腺,涙腺だけでなく,甲状腺・肝臓・腎臓・肺など全身の外分泌腺が系統的に障害されるため,autoimmune exocrinopathy とも称される.
  3. シェーグレン症候群は,他の膠原病の合併がみられない一次性と,関節リウマチ全身性エリテマトーデス・強皮症・多発性/皮膚筋炎・混合性結合組織病などの膠原病を合併する二次性とに大別される.一次性シェーグレン症候群で 1 年間の受診者数は約 78,000 人.発症は 40~60 歳代に多く,男女比は 1:14 と女性に多い(2003 年の厚生労働省).
  4. ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症のほか,抗核抗体,リウマトイド因子,抗 SS-A 抗体,抗 SS-B 抗体などの自己抗体が出現する.
  5. 耳下腺腫脹を特徴とするMikulicz病はIgG4関連疾患に位置づけられ本疾患とは異なる疾患であると考えられている.
  6. SS は,2015 年 1 月より国の特定疾患に指定され,申請すれば医療助成を受けることができる.
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検査

①血液検査
 高免疫グロブリン血症は有名である.これは多クローン性の免疫グロブリンの増加で,IgG が3 g/dLを超えるケースもある.そのようなケースはまずSSである.
  1. ①抗Ro(SS-A)抗体,抗La(SS-B)抗体:抗SS-A 抗体は高頻度に陽性となる.抗La(SS-B)抗体はSS に特異的な自己抗体である.
  2. ②抗核抗体陽性:抗SS-A抗体は抗核抗体であるが,細胞質内の抗原に対する抗体も含むため,抗SS-A 抗体陽性でも抗核抗体陰性の場合がある.
  3. ③CRP陽性,血沈亢進が疾患の活動期には認められる.RF を半数以上に認める
  4. ④その他,甲状腺ホルモンや甲状腺自己抗体検査,原発性胆汁性肝硬変症の抗ミトコンドリアM2 抗体,尿細管アシドーシスと間質性腎炎では,尿のアルカリ,血中のアシドーシスと低K.
②唾液腺造影検査
 唾液腺の破壊を知ることができる.破壊が進むと特徴的なapple tree 像がみられる.
  1. ①MRIや超音波検査にて唾液腺の構造破壊を見ることもできる.
  2. ②唾液腺シンチグラフィーにては唾液腺の機能を評価するが,アイソトープの集積と刺激による排泄を確認することができる.
  3. ③唾液腺生検:下口唇裏側の小唾液腺の生検がよく行なわれる.形質細胞やリンパ球の浸潤したfocus が認められる.
③眼科検査
  1. ①シルマー試験:涙液量を測定する方法で,ろ紙を下眼けん耳側に5分かけておき5 mm以下の涙液量の場合陽性とする.
  2. ②ローズベンガル試験:乾燥性角結膜炎の存在を検討するための角膜の染色検査.van Bijsterveldスコアで3 以上で陽性とする.

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