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紅斑および紫斑をきたす疾患

別名 erythematous or purpuric skin diseases

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 紅斑は皮膚最小血管の充血による可逆的な赤い斑を意味する.真皮で炎症が起きていることを示す所見であり,炎症の原因は生体側にある.
  2. 紫斑は真皮,皮下組織内の出血を意味する.血小板異常,凝固因子異常に原因を求めがちだが,原因としての血管炎を忘れてはならない.
  3. 紅斑をきたす疾患では多形滲出性紅斑が,紫斑をきたす疾患では血管炎が診察する機会が多い.
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診断

[多形滲出性紅斑]
①診断
 皮疹は通常多発する.典型的には個々の紅斑は,白っぽく見える中央部とそれを取り囲む暗紅色部,さらにその外側を同心円状に取り囲む鮮やかな紅斑部の3 層構造を示すが,暗紅色部がはっきりしないことも多い.皮疹は通常浸潤を触れない.全身症状として発熱を伴う場合がある.
 原因としては感染症(マイコプラズマ,溶連菌,ヘルペスウイルスなど)に対するアレルギー反応,薬剤,悪性腫瘍一般,凍瘡(しもやけ),膠原病などが想定されているが,原因不明のものが一番多い.
 検査はとりあえず必要ない.症状がひどい場合,難治あるいは再発を繰り返す場合には上記原因の精査を行う.

[スイート症候群]
①診断
 顔面,頸部,上肢に好発する有通性紅斑であり,通常高熱を合併する.皮疹は単発~数個であり,軽い浸潤を触れる.診察する機会は少ない.病理組織学的には真皮に密な好中球浸潤を認める.
 原因として感染症(溶連菌など)に対するアレルギー反応,薬剤,造血系悪性腫瘍などが想定されている.

[結節性紅斑]
①診断
 下肢に好発し,浸潤を触れる紅斑で通常圧痛がある.皮疹は単発~数個であることが多いが多発することもある.発熱関節痛などの全身症状を合併することもある.紅斑と名づけられているが,その本質は脂肪織炎である.
 原因として感染症(溶連菌など)に対するアレルギー反応,薬剤,悪性腫瘍一般,膠原病などが想定されているが,原因不明のものが一番多い.
 検査はとりあえず必要ない.難治あるいは再発を繰り返す場合には上記原因の精査を行う.

[乾癬]
①診断
 体のあちこちに著明な鱗屑を伴った紅斑が多発する.いくつかの病型があり,なかには膿疱と発熱を伴うものもある.ときに痒みを伴う.関節痛を伴うこともある.本質的には表皮の角化異常を特徴とする疾患なので紅斑性疾患ではないが,表皮・真皮への白血球の著明な浸潤と真皮毛細血管の拡張を伴うので紅斑の特徴をあわせもつといえる.原因は不明であるが,メタボリック症候群を有意に合併することが知られている.

[デビス紫斑]
[老人性紫斑]
[慢性色素性紫斑]
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