CKアイソザイムアノマリー
CKアイソザイムアノマリー
別名 | 免疫グロブリン結合CK,アノマリーCK,CKアノマリー,CK結合免疫グロブリン,マクロCK typeⅠ |
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臨床的意義
- 悪性新生物,慢性肝疾患,心筋梗塞などで高率に検出されるが,健常者でも認められることもあり,特定の疾患・病態との因果関係は否定的である.
- 筋肉疾患が疑われないにもかかわらず,血清CK活性が高値,あるいは免疫阻害法でのCK-MB/総CK活性が0.2以上の場合に確認のために検査する.血中での安定性が増すために,総CK活性は高値となり,結合CKはCK-M抗体で阻害されないために,CK-MB/総CK活性が増大する.
- ミトコンドリア内に存在するミトコンドリアCK(マクロCK typeⅡ)も電気泳動法では異常分画として,免疫阻害法ではCK-MB/総CK活性が異常高値として検出される.薄層ゲル濾過などによる分子量の検索で分子量が大きいことを確認した後,免疫学的検索(免疫沈降法や免疫電気泳動法後のCK染色など)により免疫グロブリンとCKとの結合を確認する.確認できない場合には,活性化エネルギーの測定が鑑別上有用である.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
変動要因 - 陽性
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悪性新生物、 結合織疾患、 自己免疫疾患、 心筋梗塞、 慢性肝疾患
疾患特異性はないが,悪性新生物(胃癌,直腸癌などの腺癌),心筋梗塞,慢性肝疾患,結合織疾患(筋ジストロフィー症,筋炎など),自己免疫疾患では高率に出現する.
- 次に必要な検査
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特定の疾患と因果関係はないが,悪性腫瘍,心筋梗塞,膠原病,自己免疫疾患などでの出現率が高いので,これら病態・疾患診断のための検査を行う.
- 変動要因
- CKに結合する抗体は自己抗体であり,自己免疫疾患を検索する.
- 保存条件の悪い検体では免疫阻害法や電気泳動法で異常となることがあるため,検体をチェックする.
( 高木 康 )
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