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プロスタグランジンD2

プロスタグランジンD2

略称 PGD2

臨床的意義

  • 本検査は,肥満細胞症が疑われるとき,アレルギーへのPGD2の関与が疑われるときに行われる.アレルゲンでの刺激前後で鼻汁や気管支洗浄液などの含量を測定すればより特異的となる.
  • 肥満細胞症では,肥満細胞(mast cell)がヒスタミンやPGD2を産生し,色素性蕁麻疹,ときに激しい潮紅・血圧低下・頻脈などの発作性の全身症状を伴う.発作後,強い傾眠傾向を示し,PGD2の中枢性作用が関与するかもしれない.
  • その他,種々のアレルギー性疾患,特にアレルギー性皮膚炎,気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの疾患で病態生理学的意義を有する.実際,アレルギー性鼻炎予防薬であるトラニラストはPGD合成酵素の阻害薬である.
  • 実験的には,脳虚血やピロカルピンで誘発した痙攣時などに脳内のPGD2が増加することが報告されている.
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基準値・異常値

基準範囲
測定法,施設により異なる(単位:pg/ml
変動要因
高値

アレルギー疾患、  肥満細胞症

肥満細胞症,アレルギー疾患(アレルギー性皮膚炎など)

次に必要な検査
より特異的なアレルゲンの検索を進める.
変動要因
化粧品に含まれるbenzoic acidやsorbic acidによるアレルギー性皮膚炎では,静脈血中のPGD2が数百倍に達することが報告されている.
( 片山茂裕 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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