α1-アンチキモトリプシン
α1-アンチキモトリプシン
略称 | α1-ACT |
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臨床的意義
- 血中α1-ACT濃度は,炎症性疾患で増加し,その活動性の指標となるが,この目的ではCRPのほうがより鋭敏であるため単独で測定されることは少ない.
- Alzheimer病では,血清,髄液のα1-ACT濃度が増加するとの報告がある.老人斑には本蛋白の存在が認められており,その抗プロテアーゼ作用がアミロイドβ蛋白の異化障害に関連していると推測されている.髄液濃度基準値は0.35mg/dl以下である.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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21~38mg/dl
変動要因 - 高値
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Alzheimer病、 悪性腫瘍、 感染症、 自己免疫疾患、 組織壊死(心筋梗塞など)ほか炎症性疾患
感染症,悪性腫瘍,自己免疫疾患,組織壊死(心筋梗塞など)ほか炎症性疾患,Alzheimer病
次に必要な検査
CRPなどほかの急性期蛋白.
- 低値
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遺伝性欠乏症、 肝機能障害
肝機能障害,遺伝性欠乏症
次に必要な検査
・必要に応じ他の補体成分,補体分解産物の測定.
- 変動要因
- 妊娠の有無,薬剤の影響を調べる.
( 山田俊幸 )
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