カリウム代謝異常
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
●高カリウム血症(hyperkalemia)
●低カリウム血症(hypokalemia)
- 血清K濃度が5.0 mEq/L以上の場合をいう.
- まずは,溶血などによる偽性高カリウム血症を除外する.
- 心電図を施行し,異常を認める場合はモニタリングを行いながら緊急処置が必要となる可能性が高い.
- 最も効果発現の速いのはグルコン酸カルシウムの静注である.
- 体内K量の減少をきたすのは,イオン交換樹脂使用と透析療法施行である.
●低カリウム血症(hypokalemia)
- 血清K濃度が3.5 mEq/L以下の場合をいう.
- 尿中のK濃度を測定し原疾患の診断を行う.多くの場合Kの摂取不足が関連.
- 緊急処置が必要なことは少なく経口K製剤にて経過をみるが,血清K濃度が3.0 mEq/L以下となり臨床症状をきたしている場合は,経静脈的に補充する(ただし,濃度と補正スピードに十分留意すること.40 mEq/L以下,20 mEq/時以下).
症候・検査
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表1 薬剤による高カリウム血症
1.レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系
1)ACE阻害薬:カプトプリル,マレイン酸エナラプリルなど
2)NSAIDs
3)β遮断薬:プロプラノロール塩酸塩など
4)ヘパリン
5)ペンタゾシン
2.腎尿細管でのカリウム分泌を抑制するもの
カリウム保持性利尿薬スピロノラクトン(アルダクトンA),シクロスポリン(サンディミュン)
3.細胞内のカリウム分布の変化
ジギタリス,β遮断薬
4.血液透析におけるもの(原因不明)
メシル酸ナファモスタット(フサン)( )は主な商品名