失神
syncope
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
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Clinical Chart
- 失神は脳全体の一過性低還流が原因で生じ,全身の筋脱力を伴う一過性の意識消失発作である.多くは数十秒以内に完全に回復する.
- 受診時には意識清明であることが普通である.初診時にまず行うことは,危険な基礎疾患についてのスクリーニングである.次いで,原因の解明および再発防止のための対策をはかる.
- 原因疾患は,血管迷走神経性失神を含む反射性失神(The Task Force for the Diagnosis and Management of Syncope of the European Society of Cardiology (ESC) :Guidelines for the diagnosis and management of syncope (version 2009).Eur Heart J 2009参照)と起立性低血圧(日本循環器学会,他:失神の診断と治療ガイドライン(2012年改訂版)参照)によるものが最も多い.原因を特定できない場合も多い.
- 一過性脳虚血発作(TIA)とは病態が異なる.椎骨脳底動脈系の TIA のみ失神を起こしうる.
- 失神発作にともなって痙攣がみられることがあり,痙攣の出現でただちにてんかんの診断は下さない.