下痢
diarrhea
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
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Clinical Chart
下痢の原因
(中田修二:小児科診療 66:2030-2035, 2003 参照)
<ウイルス性下痢症>
乳児下痢症のほとんどはウイルス性である.
①ロタウイルス
ウイルス性下痢症の代表的な病原の1 つである.A~F 群の6 種あるが,乳幼児でみられるのはA群でありC群の報告が散見される程度である.2 歳未満の乳幼児にみられ季節は冬季に多い.臨床症状は1~3日の潜伏期ののち嘔吐で突然発症し,続いて水様下痢がみられ1 日数回から十数回に及ぶこともあり脱水になりやすい.便は1/3 が乳汁様の白色を呈し,血便をみることもある.診断は抗原の迅速診断で行う.
②腸性アデノウイルス(40,41 型)
小児下痢症の5~20%を占め,1 年中みられる.症状は下痢が長く続く(7~10 日)ことが多く,嘔吐・発熱はロタウイルスより軽微である.白色便をみることもあり,白色下痢便の10%を占めるともいわれている.
③ノロウイルス
以前には小型球形ウイルスとよばれ,便中に排泄される形態学的に同定困難な30 nm 前後のウイルスを総称していた.カキの生食による食中毒で集団発生するのはノロウイルスが原因である.秋から冬に多くみられ,2~3 日の短期間で発生が集中した場合にはノロウイルスをまず考慮に入れる.小型球形ウイルスには他にカリシウイルス,アストロウイルスなどがあるが,いずれもロタウイルスより臨床症状は軽い.迅速抗原診断が可能となった.3 歳未満が保険収載されている
乳児下痢症のほとんどはウイルス性である.
①ロタウイルス
ウイルス性下痢症の代表的な病原の1 つである.A~F 群の6 種あるが,乳幼児でみられるのはA群でありC群の報告が散見される程度である.2 歳未満の乳幼児にみられ季節は冬季に多い.臨床症状は1~3日の潜伏期ののち嘔吐で突然発症し,続いて水様下痢がみられ1 日数回から十数回に及ぶこともあり脱水になりやすい.便は1/3 が乳汁様の白色を呈し,血便をみることもある.診断は抗原の迅速診断で行う.
②腸性アデノウイルス(40,41 型)
小児下痢症の5~20%を占め,1 年中みられる.症状は下痢が長く続く(7~10 日)ことが多く,嘔吐・発熱はロタウイルスより軽微である.白色便をみることもあり,白色下痢便の10%を占めるともいわれている.
③ノロウイルス
以前には小型球形ウイルスとよばれ,便中に排泄される形態学的に同定困難な30 nm 前後のウイルスを総称していた.カキの生食による食中毒で集団発生するのはノロウイルスが原因である.秋から冬に多くみられ,2~3 日の短期間で発生が集中した場合にはノロウイルスをまず考慮に入れる.小型球形ウイルスには他にカリシウイルス,アストロウイルスなどがあるが,いずれもロタウイルスより臨床症状は軽い.迅速抗原診断が可能となった.3 歳未満が保険収載されている