鼻アレルギー
nasal allergy
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
診断
- ①鼻鏡検査
鼻粘膜の蒼白浮腫状,水様性鼻汁が特徴である.花粉症では粘膜の発赤腫脹も多い.鼻茸の有無 膿性鼻漏を伴う慢性副鼻腔炎との合併の有無を観察する.
- ②画像診断
副鼻腔単純撮影,CT で,副鼻腔粘膜の肥厚,陰影増強,鼻茸の有無の観察.
- ③鼻汁好酸球検査
鼻内診察時,鼻汁を採取し塗抹標本をつくり,鼻汁中の好酸球の増加を検査する.
- ④抗原は,吸入性抗原で抗原陽性率はハウスダスト,ダニが約60~70%,花粉(スギが40~70%,イネ科が30~40%,キク科が10~30%),カビが5~10%である.花粉は地域性がある.また,最近はペット(イヌ,ネコ)の陽性例も多い.
抗原検索には- ① 皮膚テスト(皮内反応 スクラッチテスト):患者が抗ヒスタミン薬などを内服していないことを確認すること.
- ② 血清特異IgE 抗体検査:採血で診断できるRAST法,MAST 法が有用である.採血項目は,通年性の場合はハウスダスト,ダニ,カビ(アルテルナリヤ,カンジダなど)を中心に検査する.また花粉症の場合は地域・季節によって差はあるが,初春ではスギ,ヒノキ,春のシラカンバ,初夏ではイネ科(カモガヤ オオアワガエリなど),初秋ではキク科(ヨモギ ブタクサなど)を中心に検査する(鼻アレルギー診療ガイドライン2013 参照).陽性でも発症抗原になっていない場合もあり注意を要する.
- ③ 鼻粘膜誘発試験:抗原ディスクを鼻粘膜におき鼻症状を誘発する.
- ① 皮膚テスト(皮内反応 スクラッチテスト):患者が抗ヒスタミン薬などを内服していないことを確認すること.
- ⑤その他
鼻腔通気度検査(鼻閉の状態の検査),基準嗅覚検査 など.
- ⑥鑑別診断
- ① 血管運動性鼻炎:症状は同様IgE 抗体陰性で温度変化に敏感なケースが多い.
- ② 急性鼻炎:発熱,粘膿性鼻汁,咽喉痛,などのほかの症状があり,短期間で軽快する.
- ③ 慢性副鼻腔炎:くしゃみは少ない,粘膿性鼻汁,後鼻漏Xp で副鼻腔に強い陰影.
- ① 血管運動性鼻炎:症状は同様IgE 抗体陰性で温度変化に敏感なケースが多い.