びまん性汎細気管支炎
DPB
diffuse panbronchiolitis
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 典型的なびまん性汎細気管支炎の患者に遭遇することはほとんどなくなっているが,慢性の咳・痰に加え慢性副鼻腔炎の既往や合併があれば,びまん性汎細気管支炎を疑う.
- CT 画像では,両側に粒状影,小結節影,細気管支壁肥厚,気管支拡張,肺過膨張所見などを認める.
- 呼吸機能検査では閉塞性換気障害を認める.
- マクロライド系抗菌薬の少量長期投与による治療で予後が改善される.
- 気道感染を併発した場合には,ニューキノロン系抗菌薬などで治療する.
検査
- ①胸部Xpでは両肺びまん性の撒布性粒状陰影と肺の過膨張所見(細気管支狭窄によるair tapping のため)が特徴である(中田絋一郎:びまん性肺疾患分科会平成10年度研究報告書. p.109, 厚生省特定疾患呼吸器系疾患調査研究班, 1999 参照).
- ②胸部CT は診断上必須の検査であり,両下肺野に小葉中心性の粒状陰影をきたし,しばしば細気管支の拡張や壁の肥厚を伴う.胸部Xp より診断能が高い.
- ③肺機能検査では1 秒率の低下,肺活量低下,残気量(率)の増加(%RV 150%以上またはRV/TIC 45%以上)を認める.動脈血液ガスPaO2が80torr 以下の低酸素血症を示す.
- ④血液検査では寒冷凝集価64倍以上の持続的高値を7 割以上の患者で認める.HLA 抗原B54(保険適用外)が50~60%の患者で陽性である.
- ⑤確定診断に迷う場合は経気管支肺生検や胸腔鏡下肺生検が行われる.