周期性四肢麻痺
periodic paralysis
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
症候と治療
意識清明で,下肢より始まる四肢の筋力低下がみられ,弛緩性の麻痺を生じる.呼吸筋麻痺を生じることはまれである.
低カリウム性周期性四肢麻痺の発症年齢は0~20歳である.発作の頻度は15~35歳頃に最も多くなる.発作は夜間,早朝に起こりやすい.また,運動後の休息時や炭水化物の多量摂取後に生じることが多い.麻痺は数時間から2~3 日で回復する.治療は,KCl 製剤(スローケー)の内服を行う.投与前より心電図の監視を開始し,投与後も継続して観察して不整脈の出現に注意する.投与後はカリウム値を測定し,高カリウム血症を防止する.周期性四肢麻痺発作の予防として,運動と炭水化物の多量摂取は控えさせる.予防薬として,ダイアモックス125~250 mg/日やスローケーの内服を試みる.甲状腺機能亢進症を伴う症候性の場合は,甲状腺機能障害の治療を行う.麻酔により悪性高熱症を発症する危険性があり,麻酔時は注意を要する.また,麻酔に伴って麻痺が発症することがあり,麻酔前後の観察と予防処置が重要である.
高カリウム型周期性四肢麻痺は多くは10 歳代に発症する.発作は起床時の朝食前に生じることが多く,15 分~60 分持続する.また,激しい運動後の休息時に生じることがある.その他,誘発因子として,寒冷,ストレス,カリウム摂取,妊娠などが知られている.発作時は軽症の場合は経過観察とし,重症の麻痺の場合は心電図モニターでの監視を行いながらグルコン酸カルシウムの静注(カルチコール注8.5%5 mL 2 アンプルを5 分かけてゆっくり静注する)を行う.この際,血清カリウム値に注意する.予防のためには,炭水化物を頻回に摂取する,疲労・寒冷を避けることを指導する.予防薬としてダイアモックス250 mg/日が投与される.正カリウム性周期性四肢麻痺に対しては,発作時に食塩の内服を行う.予防にはフロリネフやダイアモックスの投与を考慮する.
低カリウム性周期性四肢麻痺の発症年齢は0~20歳である.発作の頻度は15~35歳頃に最も多くなる.発作は夜間,早朝に起こりやすい.また,運動後の休息時や炭水化物の多量摂取後に生じることが多い.麻痺は数時間から2~3 日で回復する.治療は,KCl 製剤(スローケー)の内服を行う.投与前より心電図の監視を開始し,投与後も継続して観察して不整脈の出現に注意する.投与後はカリウム値を測定し,高カリウム血症を防止する.周期性四肢麻痺発作の予防として,運動と炭水化物の多量摂取は控えさせる.予防薬として,ダイアモックス125~250 mg/日やスローケーの内服を試みる.甲状腺機能亢進症を伴う症候性の場合は,甲状腺機能障害の治療を行う.麻酔により悪性高熱症を発症する危険性があり,麻酔時は注意を要する.また,麻酔に伴って麻痺が発症することがあり,麻酔前後の観察と予防処置が重要である.
高カリウム型周期性四肢麻痺は多くは10 歳代に発症する.発作は起床時の朝食前に生じることが多く,15 分~60 分持続する.また,激しい運動後の休息時に生じることがある.その他,誘発因子として,寒冷,ストレス,カリウム摂取,妊娠などが知られている.発作時は軽症の場合は経過観察とし,重症の麻痺の場合は心電図モニターでの監視を行いながらグルコン酸カルシウムの静注(カルチコール注8.5%5 mL 2 アンプルを5 分かけてゆっくり静注する)を行う.この際,血清カリウム値に注意する.予防のためには,炭水化物を頻回に摂取する,疲労・寒冷を避けることを指導する.予防薬としてダイアモックス250 mg/日が投与される.正カリウム性周期性四肢麻痺に対しては,発作時に食塩の内服を行う.予防にはフロリネフやダイアモックスの投与を考慮する.