気胸
pneumothorax
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 突然発症の胸痛(患側),咳嗽,呼吸困難が初発症状である.
- 気胸は外傷性気胸と自然気胸に分類され,後者はさらに原発性気胸と続発性気胸に分類される.自然気胸の治療では,続発性気胸を引き起こす疾患を見逃さないように留意する.
- バイタルサイン,臨床症状から緊張性気胸を疑う場合は迅速な対応を行う.
- 高度の虚脱例では,急激な脱気による再膨張性肺水腫を回避するよう留意が必要である.
- 重症度分類に応じて保存的治療,胸腔ドレナージ術,手術療法などを選択する.
検査
①経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)
種々の程度に低下するが,軽症の場合は低下しないので注意が必要である.
②胸部単純Xp
患側肺の虚脱が種々の程度に認められる.胸部単純Xp での肺尖部の位置と肺の虚脱率(図1)によりⅠ~Ⅲ度の重症度分類(表1)を行い,治療方針を立てる.
なお,外傷や激烈な胸痛で救急搬送された患者の場合は,ポータブルないし臥位での胸部Xpとなるため,軽度の虚脱は肺尖部ではなく,肋骨横隔膜角の透過性亢進(sulcus hyperlucency)となることにも留意が必要である.
③胸部CT
自然気胸でもっとも多い原因となる肺尖部のブラなどは,胸腔ドレナージ術で肺を十分に膨張させたのちにCT 撮影(HRCT)を行うと,可視化しやすくなり,手術時の情報として役立つ.
種々の程度に低下するが,軽症の場合は低下しないので注意が必要である.
②胸部単純Xp
患側肺の虚脱が種々の程度に認められる.胸部単純Xp での肺尖部の位置と肺の虚脱率(図1)によりⅠ~Ⅲ度の重症度分類(表1)を行い,治療方針を立てる.
なお,外傷や激烈な胸痛で救急搬送された患者の場合は,ポータブルないし臥位での胸部Xpとなるため,軽度の虚脱は肺尖部ではなく,肋骨横隔膜角の透過性亢進(sulcus hyperlucency)となることにも留意が必要である.
③胸部CT
自然気胸でもっとも多い原因となる肺尖部のブラなどは,胸腔ドレナージ術で肺を十分に膨張させたのちにCT 撮影(HRCT)を行うと,可視化しやすくなり,手術時の情報として役立つ.
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図1 肺の虚脱率の算出方法
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表1 気胸の重症度分類
①Ⅰ度:肺が鎖骨より上まで存在
②Ⅱ度:肺が鎖骨より下で50%以下の虚脱率
③Ⅲ度:肺が鎖骨より下で50%以上の虚脱率