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「臨床医マニュアル　第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部（各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」）を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は，他に出典の明示があるものを除き，医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル　第5版」編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.

詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。
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Clinical Chart

外傷に伴う損傷，関節炎や腱鞘炎などの炎症性疾患，変性疾患などを念頭に置き鑑別を進める．
病歴，診察所見，単純 Xp 撮影にて診断する．診断の補助として単純 CT や単純 MRI を参考にする．
手関節周囲の骨折として，橈骨遠位端骨折，尺骨茎状突起骨折，舟状骨骨折をはじめとした手根骨骨折などを鑑別する．
手関節周囲に腫瘤がみられた場合，ガングリオン，関節リウマチに伴う滑膜炎を念頭に置く．指 DIP 関節に嚢腫状病変がみられた場合，変形性関節症に伴う粘液嚢腫を考える．
MP 関節の掌側，手関節橈側，手関節背側は腱鞘炎の好発部位である．
Xp 所見上，手関節や手指関節の変形がみられた場合には，変形性関節症，関節リウマチなどを鑑別する．手関節，手根骨，MP 関節の変形は関節リウマチを，DIP，PIP 関節，母指 CM 関節の変形は，変形性関節症を考える．

診断

１．手根管症候群
［診断］
　症状，理学的所見から診断する．検査としては，末梢神経伝導速度検査で終末潜時の延長がみられる．神経障害が強度だと，手根管より近位部でも伝導速度の遅延がみられることもある．手関節MRI にて手根管内にガングリオンがみられる場合もある．

２．尺骨管症候群
［診断］
　肘部管症候群との違いは，手背部に感覚障害がみられないこと，環小指の深指屈筋腱の筋力低下がみられないこと．

３．手指変形性関節症
［診断］
　外観上，手指の関節変形が多発する．単純Xp にて関節裂隙の狭小化や骨棘形成がみられる．粘液嚢腫を伴うことがある．

４．母指CM関節症
［診断］
　単純Xp で母指CM 関節に関節症性変化，関節の亜脱臼がみられる．

５．ばね指
［診断］
　臨床所見により診断する．

６．de Quervain 腱鞘炎
［診断］
　臨床症状により診断する．

７．Dupuytren 拘縮
［診断］
　臨床症状により診断する．

手部疾患

Clinical Chart

診断