尿路結石症
urolithiasis
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 腎・尿管結石を上部尿路結石,膀胱・尿道にある結石を下部尿路結石といい,95%以上は上部尿路結石である.男女比は 2.4:1 で男性に多い.年齢分布としては上部尿路結石が若年層から中年に多く,下部尿路結石は高齢者に多い.女性は閉経期にひとつの年齢ピークがあるのも特徴である.
- 人口 10 万当たり約 134 人,生涯罹患率は男性 15%,女性 7%と患者数の多い疾患である.結石成分ではシュウ酸カルシウム,リン酸カルシウムといったカルシウム含有結石が約80%を占める.その他,リン酸マグネシウム・アンモニウム,尿酸,シスチン結石などが存在する.
- 成因としては,①カルシウム代謝,シュウ酸代謝,尿酸代謝異常などの内分泌代謝異常, ②尿路感染,③尿流停滞,④長期臥床,⑤食事・薬剤など,⑥シスチン尿症,キサンチン尿症,原発性シュウ酸尿症,尿細管性アシドーシスなど遺伝的要因が明らかなものもある.
- 治療はほとんどが体外衝撃波結石砕石術(extracorporeal shock wave lithotripsy:ESWL)である.最近は内視鏡的砕石術も普及し,開放手術は激減している.
検査
1.腎結石
2.尿管結石
[検査]
血液検査で血中電解質などの異常の有無をチェックする(尿酸,Ca,P,Mg など).
尿中電解質の測定(24 時間蓄尿)を行い成分分析する(シュウ酸およびクエン酸は保険算定できない).
高カルシウム尿症:男性300 mg/日,女性250 mg/日以上.
高尿酸尿症:男性800 mg/日,女性750 mg/日以上.
3.膀胱結石
[検査]
KUB で恥骨上膀胱部に結石陰影を認める.ほとんどが直径1 cm 以上である.長期尿道カテーテル留置例では,細かい無数の結石影を認めることもある.結石成分によっては,KUB で見えづらいことがあるので注意が必要である.その場合,CT 以外に腹部エコーや膀胱鏡検査で診断をつける.
2.尿管結石
[検査]
血液検査で血中電解質などの異常の有無をチェックする(尿酸,Ca,P,Mg など).
尿中電解質の測定(24 時間蓄尿)を行い成分分析する(シュウ酸およびクエン酸は保険算定できない).
高カルシウム尿症:男性300 mg/日,女性250 mg/日以上.
高尿酸尿症:男性800 mg/日,女性750 mg/日以上.
3.膀胱結石
[検査]
KUB で恥骨上膀胱部に結石陰影を認める.ほとんどが直径1 cm 以上である.長期尿道カテーテル留置例では,細かい無数の結石影を認めることもある.結石成分によっては,KUB で見えづらいことがあるので注意が必要である.その場合,CT 以外に腹部エコーや膀胱鏡検査で診断をつける.