B型慢性肝炎
chronic hepatitis B
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
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Clinical Chart
概念・定義
- ①HBV キャリア
血中HBs 抗原が持続的(6 カ月以上)に陽性であるものをHBV キャリアと総称する. - ②B 型慢性肝炎
HBV キャリアのうち,肝障害(厳密には病理組織学的な概念だが,一般臨床では血液生化学的にALT 異常を示す状態)が持続または断続するものがB 型慢性肝炎である. - ③HBV キャリアは肝障害の有無,種々のHBV マーカーの状態によって全体の85%は「日本消化器病学会肝機能研究班:肝疾患における肝炎ウイルスマーカーの意義. 日消誌 103:1410, 2006」のような病期の経過をたどり,一部が「日本肝臓学会編:慢性肝炎の治療ガイド. 2006」のように肝硬変や肝細胞癌に進展する.
- ① 第1 期:思春期から30 歳代まで.HBV に対しては免疫寛容期にあたり,組織学的にも肝炎が見られない時期.血中HBV-DNA は高い値を示す.
- ② 第2 期:思春期から30 歳代で肝炎急性増悪が起きる.HBV に対する免疫寛容が解け,組織学的には慢性肝炎である.
- ③ 第3 期:HBV の増殖が抑制され,組織学的にも肝炎の活動性が失われる.血中HBV-DNA は<5.5LC/mL と低値を示す.
- ④各種HBV マーカーの意義は「日本消化器病学会肝機能研究班:日消病会誌 98:206-213, 2001」を参照.